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『キングコング対ゴジラ』『キングコングの逆襲』やっぱり、金髪美女が好き!

木の葉散るゴリラの背ナの愁ひかな 伊藤いと子

                                   7月2日、いよいよ公開決定!『ゴジラvsコング』復習しよう第3弾!

ざっくり、本当にざっくり言うと、本家『キングコング』と筋は同じ。同じなのだが、そこは東宝特撮。なんだか、全く違う作品にも思えて・・・・・・。

『キンゴジ』の作品中、宣伝マンが気にしているのが「聴視率」現在では、「視聴率」というのが一般的ではあるが、この作品の時代(1962年)、カラーテレビ本放送がはじまったばかりで、1959年、皇太子明仁親王ご成婚の中継、1964年のオリンピックに向けて、テレビは一般的に普及しだしたところ。                                だから、ラジオがまだまだ主役な時代、ということで「聴く」が先に来た「聴視率」なのだろう。

ちなみに、同年3月、日本のテレビ受信契約者、1000万人突破(普及率48%)したようだ。

登場人物たちを見ていて、「モーレツ」という言葉が思い浮かんだりもしたのだが、特に会社に忠誠と言ったふうでもないので、ドタバタ喜劇といった雰囲気。

気になったのは、キングコングの姿かたち。
まず鳴き声。ゴジラとさほど変わらないような気がして、ゴリラとは思えない。
そして、腕のつくり。特殊造形家の品田冬樹氏が、「肘が二か所ある」とおっしゃっていたので、注意して観てみると、確かに妙な曲がり方をしている。

では、『キングコングの逆襲』の方は、どうであろうか。
気になったのは重量。歩くさまがどう見てもさほど体重を要していないように見える。むしろ軽やか。
キングコングと闘うことになるメカニコングも軽やか。
二匹(?)とも、歩く後姿はまるで、おっさんのよう。『逆襲』の方は、金髪美女がお好きなようで、いいように使われている、ただの都合のいいおっさん状態。

とまあ、言いたい放題なのだが、決して文句を言っているのではない。それもこれも含めて楽しいのだ。

そしてキングコングといえば、エンパイアステートビルということで、『逆襲』は、東京タワーなのだが、『キンゴジ』は、国会議事堂。

二作品ともに出演しているのが浜美枝。
『キンゴジ』では、行く先々で怪獣遭遇フラグがたつ女性なのだが、『逆襲』では、どこかの国の諜報部員役。そして彼女が雇ったのが、天本英世演じるドクター・フー。

007シリーズの第一作目が『007 ドクター・ノオ』(1962)そして、浜美枝は、日本を舞台にした、同じ007シリーズの11作目『007は二度死ぬ』(1967)に、ボンドガールとして出演している。

これ、確信犯ですよね?

007は、言わずと知れた国際的な諜報部員。『逆襲』と『二度死ぬ』は同じ年の公開(『二度死ぬ』のほうが、約一か月公開日が先)。ということは、浜美枝が、ボンドガールを演じることはすでに話題になっていただろう最中、『二度死ぬ』のあとの効果も狙ってのことだろう。

そして、やはり天本英世は1967年には死神博士風だったことが確定したのであった。
どこから、変貌したのか追跡していこうと思う。


木の葉散るゴリラの背ナの愁ひかな 伊藤いと子

木の葉が散る様は、その様子や寒さも相まって、一抹の寂しさを覚える。ここ最近、イケメンなゴリラが話題になっているが、愁いはヒトのみにあらず。いや、もしかしたら、木の葉が散る様子に、愁いが見えた気がしたのかもしれない。

『キングコング対ゴジラ』(1962)
本編監督:本多猪四郎
特撮監督:円谷英二
脚本:関沢新一
出演:高島忠夫/佐原健二/藤木悠/浜美枝/有島一郎

『キングコングの逆襲』(1967)
本編監督:本多猪四郎
特撮監督:円谷英二
脚本:馬淵薫
出演:宝田明/ローズ・リーズン/リンダ・ミラー/浜美枝/天本英世                    

参考文献:映画秘宝2019年7月号

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