ノヴァークスで成し遂げたいこととは【インタビュー①】
専門家のチームで健康寿命を引き上げる
――“かかりつけ医のトレーナー版”にしても、クライアントとトレーナーが生涯レベルのスパンで関係を構築する考え方にしても、世間一般の「トレーナー像」とはきっと少し距離があるよね?
健康寿命て言葉があってさ。健康上の問題により日常生活が阻害されずに過ごせる期間を指していて。日本人の平均寿命と健康寿命の差分が10歳ほどあって、つまりこの差分に含まれる人は入院していたり、介護を受けている。
弊社がやりたいことは、健康寿命を引き上げて平均寿命との差を縮めることになると思っています。
もちろん、従来イメージのトレーナーとしても活動していて。茨城県鹿嶋市の高校のバスケットボール部をみさせてもらっていたり、若手トレーナーの育成セミナーで講師をやらせてもらったり。
ただ、例えばスクワットはアスリートもリハビリ患者もシニア層もやるよね?提供の方法、負荷のかけ方、回数が違うだけで。
――本質は同じということ?
そう。その上でより専門的な、例えば障害の知識や病気の知識などが必要になってきているから、医療やリハビリ領域との連携が必要になってくる。理学療法士(PT)、作業療法士(OT)らとの従来のすみ分けがなくなってきていると言われている。やり方の問題で、料理に似ているかも。
フィットネスのゴールを完成した一品とすると、同じ食材を使っても調理工程や盛り付け、乗せる器や周りの環境で味は変わるから。
お客さまを中心に、深く長いつながりを
――シームレス化しているからこそ、ヘルスケアの各分野の専門家と連携をする必要がある、と。
入院を経験した患者さんは退院後、自分自身にメソッドがないと何をどう鍛えれば良いのかわからず路頭に迷ってしまう。そういう方がフィットネスクラブを訪れてくるようになっている、てのはここでも話したところだね。
肌感覚ではここ5年~10年くらいはそうなっていると思う。そしてそれは、今後の高齢化社会や医療費、介護費が増加する一方の日本において、さらに加速すると思われる。
――ファッションはもちろん、音楽も映像もメディアもSNSもファスト化していると思っていて、フィットネス業界にもそれこそ「コンビニジム」の流れが来てると思っていて。カネの考え方はそれとは対極の考え方にみえる。なぜこうした考えを持つように?
20歳から始めたスポーツトレーナーの仕事を振り返った時に、例えば何か目標のためにダイエットをしたいお客様がいて、それを3ヶ月サポートしてその人は卒業。はい、じゃあ次の人を担当します、というような自転車操業的な側面を垣間見ることが多々あって。
こうしたサイクルも否定はしないけど、「生涯サポートできるような、信頼関係を築いて長期的に付き合えた方がお互いに良いじゃん」と思ったんだよね。
お客様が「腰痛いな、ちょっと金子君に聞こう」となったり「鍼に行きたいんだけど知り合いいないの?」となった時に自分が対策を講じたり、連携するスペシャリストを紹介できる存在。漠然と自分の中にあったイメージを言葉にしたときにそれが「かかりつけのトレーナーがいる」ということだと思った。
ヘルスケアの中心にお客様がいて、そのサポートをできるという形を作り上げたいな、と。ひいてはそれが先述の高齢化社会の課題の解決にもつながっていくと考えています。
――トレーナーとしてキャリアを重ねていく中で、ノヴァークスの理念が醸成されていったのか。それじゃあ、ここまで歩んできた道程について、聞かせて。
②に続く
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