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【読書】英語のフォニックス 竹林 滋著


序文


英語が母語である子供でも、当然、最初はアルファベットの文字や単語の綴りを知りませんから、幼稚園や小学校ではまず、文字の形とその読み方を教わります。
その際子音をあらわす文字は読み方との対応がほとんどの場合1対1なので簡単です。
しかし、英語は母音の種類が大変多い言語で、母音を表すのにA、E、I、O、Uの五文字では到底足りないため、一つの文字に対して二通り以上の読み方があったり、文字を組み合わせて一つの母音の発音を表したりします。その結果、子音の文字と比べると母音の文字の読み方はかなり複雑なものになっています。
フォニックスとは文字の読み方のルールを覚えることなのです。

まえがき


フォニックスという言葉は英米の小学校なので行われている綴り字の読み方の指導のことです。世界の言葉の中でも英語は綴り字が非常に不規則なことで知られています。そのため英単語の綴り字はいちいち発音記号に書き直して教えるというのが、我が国の英語教育では一般的です。しかし、英語の綴り字にもそれなりのきちんとしたルールが存在しています。

はじめに


英語の発音を発音記号で書くということは非常に難しいことで、かなりの専門的な知識を必要とするということです。
中学校や高校の英語教科書の発音記号を調べてみると、権威のある大先生をはじめとして専門の先生方が出費されているはずですが一冊の中に一箇所の誤りがないという教科書はまずありません。
「英語の綴り字は不規則極まりないものだから発音記号がなければならない」と誤解されているのではないか。
しかし規則性が全くないわけではありません。実際には規則性がかなりある。規則的な綴り字は発音記号が要らない物も多い。

フォニックスとは


アメリカでもイギリスでも基本的なつづり字のルールを小学校で教えている。
日本では、この初歩的なフォニックスが紹介されずに、いきなり高級な発音記号は英語の初等教育の段階から採用されたため消化不良の状態になっている。普通の人が発音記号を用いるのは危険が伴う。発音記号というものはかなり程度の高い音声学の知識を前提とするものなのだ。
中学生や高校生はもちろん時には先生までが音声学の知識無しに発音記号を使用し、しかもなお悪いことには、それを自分の判断で勝手に日本語のローマ字を読むようなつもりで発音することにさえある。

アメリカでは「子供が学ぶフォニックス」、日本では「大人が学ぶフォニックス」の違いがある。この違いを踏まえて、学び方も変わってくる。
読者の我々が理解しやすいように「大人が学ぶフォニックス」をわかりやすく解説してくれている。

パート1 初級

母音字、子音字と母音、子音の区別
「母音字、子音字」文字 見る
「母音、子音」  音  聞く

5つの母音字「a,e,i,o,u」で20いくつの母音がある。
これが今日の英語の綴り字が複雑な原因。

一方で名詞、形容詞や動詞の変化がほかの言語に比べて簡単であるという習いやすさや、世界各国の言葉から広く単語を取り入れて自国語の単語としてしまうため国際的だ、など多くの優れた長所を持っている。

ルール1 子音字のb,d,f,h,j,k,l,m,n,p,r,s,t,v,w,x,y,zは規則的な発音


     boy,day,five,hall,jet,kiss,large,make,night,park,rice,six,time,very,way,box,yes,zoo

ルール2 ch,ck,dg,ng,ph,qu,sh,tch,th,wh2重または3重子音字は規則的な発音


child,back,bridge,thing,photo,queen,ship,match,think,white
     

ルール3 発音されない子音字


語頭 knのk、gnのg、wrのw
knife,gnaw,write
語末 mbのb、mnのn、gnのg、btのb、ghtのgh
bomb,autumn,sign,doubt,caught
gnはほとんどない。

ルール4 母音字は「短音」と「長音」がある


     短音 bag,bed,big,box,cut,gym
     長音 date,eve,ice,home,cute,fly
     この規則がもっとも複雑でわかりにくい規則。
A 「ア」か「エイ」
E 「エ」か「イー」
I 「イ」か「アイ」
O 「ア(オ)」か「オウ」
U 「ア」か「ユー」

ルール5 語末で母音字のあとに子音字が続いたら、母音字は「短音」


最も基本的なルール。例外は少ない。
598語もの単語がルール1~5で読める。
英語は強く発音された「短音」でおわることができない。母音の後に必ず何か子音が1つ続く。

ルール6 母音字のあとに子音字がひとつ、そのあとにeが続いて単語が終われば、その母音字は「長音」、語末のeは発音なし


ルール5の対照的なルール。
非常に多くの一般的な単語がこの規則通りに発音される。

ルール7 2重母音字は規則的に発音

ea=e   team    ee=e   green   ie=e   field    
ai=a   sail     ay=a   day    ei=a   rein
ey=a   they    oi        oil     oy       boy
au       autumn   aw      law
eu      feud     ew     new
ou     count     ow    now
oa=o  boat     oo      cool

ルール8 ch,j,l,r,sのあとでは、u,eu,ew,はooとなる

chew→choo
june→joon
blue→bloo

おわりに

「フォニックス」という概念を初めて知りました。
ネイティブが幼少期に、自然に学ぶ発音方法だそうです。

言語聴覚療法の勉強会で、「聞く、話す」が土台になると教えてもらいました。「読む、書く」はより高次の階層になるそうです。

たしかに、日本語を習得する段階でも同じことが言えますよね。
リスニング、スピーキングから勉強することの重要性を理解しました。
学校の英語教育は、どちらかというと「読む、書く」が中心だから、英語学習としては根本的に間違っているのかもしれません。

正しく、かっこよく発音することは、楽しいと思いました。
英語の授業では、発音を正しくすると、「かっこつけている」「外人気取り」みたいな空気感があったなあと学生時代を振り返っています。

恥ずかしいから、カタカナ発音になってしまっていたなと。
かっこよく発音できれば、英語学習が「楽しく」なって、続けられるようになってきました。
フォニックスに出会えてよかったです。ありがとう「フォニックス」!

ルール20までありますが、途中で割愛させていただきます。
ご了承ください。


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