6:任地でのホームステイ(言語編)
Bonjour!
ベナンの公用語はフランス語ですが、日本の1/3の面積にも関わらず、53の現地語が存在しています。
私の任地であるKétouでは、「ナゴ語」という現地語が話されています。
フランス語は小学校から学ぶ為、学校に行けない人は現地語しか話すことができません。
また、今まで現地語で生きてきた子どもたちに対し、全ての教科をフランス語で授業をします。
そのため、フランス語が分からず、進級試験に落ち、小学校を卒業できない子どもが多いようです。
ここまでは、出国前から分かっていましたが…
任地ではベナン人の大半の現地語である「フォン語」を話す人も多くいることがホームステイに行って判明しました。
まずい…小学校低学年の子に授業をする=フラ語を説明するのにナゴ語だけじゃなくてフォン語も必要だなんて…。
絶望してもしょうがない。活動先ではいろんなことを積極的に教えてもらうおうと思います!
そして、家の中にいても、街に行っても、ナゴ語しか聞こえてきません。
小学生に何を話しかけても「Oui」=「はい」という返事しか返ってきません。
「何時に寝るの?」「Oui」
「朝何食べたの?」「Oui」
というような具合です…。笑
要するにフラ語を理解していないということ。
そんな中、ママの同僚(教師)が家に来ました。彼は違う街出身なので、ナゴ語は分からないそう。
「教師ならナゴ語がわからなくても生きていけるよ。フランス語頑張ってね。」と言われました。とても心強かったです。そして、フランス語の安心感といったら…。
また、教師であるママのお母さんに簡単なフランス語の挨拶が通じませんでした。これには本当にびっくり。
フランス語を話せても普段は現地語で生活をしているという人は経済首都に沢山います。
しかし、フランス語を全く話せない人が任地には多すぎるという印象を受けました…。学校に行けてない子どもや高齢者だけでなく、市場の若い女性にも通じませんでした。
ナゴ語の習得は既に諦めました。
「子どもから教えてもらおう」などという考えは浅はかだったと痛感しました。
なぜなら「文法の概念」がないから。
「どれが主語なの?述語なの?」と聞いても「こういうものだから」という返事しか返ってきません。
その証拠に、ナゴ語で「元気?」と聞くと、全員が同じ返事をします。ちなみに30人に質問した結果がこれです。
任地に来るまでは「学校に通えてない子どもと関わりたい」という強い気持ちがありました。なので、絶対ナゴ語を習得するんだという気持ちでした。
しかし、もし仮に私がナゴ語を話せるようになっても、学校に通えてない人々は思考力が劣るのでしょうか…。先輩曰く「会話のキャッチボールができない」とのことでした。
任期は残り1年半。優先順位を考えると、挨拶と市場での会話で精一杯かな…と思っています。
とりあえず「おはよう」「こんにちは」「元気?」「元気だよ」「ありがとう」「さようなら」だけは覚えました。
同任地の先輩曰く、現地語は中学英語のレベルの単語しか存在しないようです。
良くも悪くもただ「生きてるだけ」。
語彙が少ない=いろんな概念がないというか思考力がないというか…。
フランス語や英語ができる人はそうでもない感じがしたので、言語の習得はその人の思考を変えるものだと痛感しました。
その一方でホストファミリーの中学生は日本の中学生と同等レベルの化学や物理や数学の問題を解いていました。
そんなこんなで自分にできることってあるんかな…と珍しく弱気になってしまいました。
しかし、やるしかない!
ホームステイ先の家族もその同僚も近所の人も。みんなみんな親切にしてくださいました。
その方達に頼って生きていこうと思います。
そしてゴミ問題。
フェスの広場がゴミだらけだったので、せめてものと足元に落ちてたゴミを拾ったら「フェスが終わったらゴミ拾いの人が来るからそのままでいい」とママの同僚に言われました。
そんな効率悪いことあるかいな…。
これが現実です。
「幸せならこのままでいい」と思う自分もいます。
しかし、一生発展しないだけならまだしも、思考力がないと他国に乗っ取られる未来も可能性としてあるのではと思います。
日本は自殺率が高いし、バランスがとても難しいなと感じます。幸せって一体何だろう…。
問題点をいろいろ書いてしまいましたが、多くのベナン人(ホストファミリーやママの同僚&上司、近所の方々)に優しくしてもらってすごく幸せな2泊3日でした。
また、この街で生きてく覚悟ができました。
楽しかったし嬉しかった素敵な思い出。
経済首都での語学訓練も今週で終わります。
少しでも話せるように頑張ります!
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