
重要なのは「何をするか」だ by ピーター・ティール
こんにちは!今週は組織と人にまつわるテーマを少し離れて、スタートアップという場所で生きることそのものをテーマにしたインプットから、アレコレとりとめもなく考えた軌跡をお届けしてまいります。
最近、自己紹介や他己紹介の機会に「様々な経験を積まれているのですね」というリアクションを頂戴することが増えました。実際、15年以上大手で勤めた後、2019年からの4年間で、HR系スタートアップでの労務リーダー1年 -> ITベンチャーでの管理部長2.5年 -> 現スタートアップで人事責任者、と、多くのご縁を紡いできました。
特に、現業のアーリースタートアップでの1年は、体感で3年以上と言えるくらいに密度の濃いものになっています。ゼロイチ、イチジュウ、とはよく言ったもので、世に無い新しい価値を生み出すことの難しさと醍醐味に、チームとともに向かい合う日々です。
ゼロから新しい価値を生み出すセオリーについて改めて学びなおしたい思いで、今週末の自己選定課題図書はピーター・ティールの名著を選択しました。
ティールが説くのは、0 to 1と1 to n の圧倒的差異です。1 to n が水平的進展であり、グローバリゼーションであり、分散であるのに対し、0 to 1は垂直的進展であり、テクノロジーであり、集中であるということ。そして 0 to 1を現実にするための7要件とは・・・
今回読んで特に印象的だったことは、繰り返される、あいまいな未来に対する楽観主義への反発のモチーフです。
エンジニア主導のシリコンバレーでさえ、今流行りの戦略といえば、変わり続ける環境に「適応」し「進化」する「リーン・スタートアップ」だ。起業家予備軍は、先のことは何もわからないのだと教えられる。顧客の欲求に耳を傾け、MVP以外は作らず、うまくいったやり方を反復すべきだと言われる。
だけど、「リーンであること」は手段であって、目的じゃない。
「何をしてもかまわないが、とにかくうまくやれ」と学生に保険をかけさせているようだ。だけどそれは大きな間違いだ。重要なのは「何をするか」だ。
自分たちが創りたい未来、「何をするか」をまず打ち立てる必要があり、永続性をビジネスデザインに織り込むこと、長期計画を過小評価しないこと、といったメッセージを強く受け取りました。
同時に、この考え方は、組織マネジメント論にもまさに直結するものであると感じましたし、自身のキャリアに照らしてもなお深く刺しこまれるところがありました。
ピーター・ティールの名著、日本刊行は2014年ですがまったく古さを感じず、大変味わい深かったです。皆さんもぜひ原書をお手にとってみてください。お読み頂きありがとうございました!