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おやすみオポチュニティの感想(ネタバレあり)

Amazonプライム・ビデオオリジナルのドキュメンタリー映画。
なんとなくNASAが火星で水の痕跡を探して探査機を飛ばしたみたいな話はNHKの番組とかで見た事はあったのだけど、いかに凄い偉業をしていたのかをちゃんと知ることが出来て良かった。

愛らしい探査機

ドキュメンタリー映画なのだけど、当然火星でのオポチュニティとスピリットの様子を撮影は出来ないのでCGでの再現になっていると思うのだけど、このアニメーションのクオリティが高くて、火星で働いている様子がピクサー映画の「ウォーリー」みたいで愛らしい。

当時の映像NASA側からの映像と合わせて作られた想像の火星での探査機の方の映像が入る事で、劇映画みたいな感動があるし、ただラジコンの様に動く訳じゃなく火星までのタイムラグが10分位あるのでロボット自体にも自律性が入れてあるのがまた面白い。

火星に命があるのか?というのを調べる為に水があるというのが重要要素になってくるので、火星での土の成分を調べられるロボットを製作して送ろうという話になるのだけど、NASAの人達がロボットを作っていく過程や、動かしていく中でどんどん愛着が増していく。

この映画では何度かNASAで働く人達の人生が垣間見える瞬間があるのだけど、それぞれの人達の生き様や想いが乗って作られたからこそ、彼等の希望の象徴にも思えるし、観ているこちらもただの機械として見れなくて健気に頑張る姿がいちいち胸に刺さってくる。

90日の予定、というかそもそも火星に無事到着するかも難しそうな状態で15年という月日をメンテナンスもなく探索し続けたというのが、本当に奇跡的に凄いことなんだよ!とストレートに感動させられるドキュメンタリーだった。

改めてNASAの偉大さ

当たり前だけど火星に探査機を送るにはどういう準備がいるのか?火星ではどういう事が起こるのか?という教材的な意味でも勉強になる所が沢山あって、意義深い作品だと思った。普通に学校の授業で流せそう。

ロケットを飛ばす時の緊張感も凄いし、宇宙空間でのフレアが精密機器に及ぼす影響や、失敗の様子を見せ続けてきた着陸の際のパラシュートとクッションの安全性の懸念、そして何より火星までタイムラグが10分あるという状態での遠隔操作の大変さ。宇宙に探査機を送る事の大変さがこれでもかという位伝わってきたし、当たり前の様に思っていたけど、そういう奇跡みたいな事をやってのけるNASAの偉業に改めて感服した。

音楽使い

モーニングソングがいちいち気が利いていて結構ベタな曲センスが良くて楽しい。
この曲が流れているシーンが全部良すぎて音楽映画と言っても良い位だと思う。
特に好きなのはスピリットが結構なトラブルで動けなくなる所があってスタッフの人達もみんな「これはもうダメかもしれない、、、」って絶望感が漂っているのだけど、ここで「伝統だしモーニングソング流そう」って流す曲がめちゃくちゃ笑った。

そしてもちろん最後の動かなくなるオポチュニティラストへの曲のチョイスと、それに重ねて言われる「プロジェクト完了」という言葉、小さな拍手、そこに至るまでの道のりの映像は本当に感動的で思わず落涙してしまう。

NASAの職員の人達が「幸運のピーナッツ」といって他の人に配るのゲン担ぎ?の様なシーンが何度か出てくるのだけど、それが次の探査機の計画を進めているラストシーンで出てくるのが感動してしまった。
オポチュニティとスピリットの冒険の日々は終わり次の世代に変わっていくのだけど、情熱を持って関わってきた人の魂は受け継がれているのを示しているみたいだ。

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