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【イベント報告】12.10 日本における難民・在日外国人問題を知る〜私たちにできること〜@中央大学多摩キャンパス

2022年12月10日に行ったイベント報告記事です。ぜひ最後までご覧ください~

イベント概要

 本イベントは、BONDと中央大学ボランティアセンター学生スタッフで活動する中央大生主催、中央大学ボランティアセンターとBOND、白門一新会共催のもと開催されました。市民の「私たち」にできることをテーマに、中央大学での対面開催とオンライン配信のハイブリット形式で実施されました。

 イベントのプログラムとしては、1. 指宿弁護士による講演 2. 学生主催者たちによる トークセッション 3. ディスカッション という流れでした。参加者数は、対面とオンラ イン合わせて、約60名でした。


開催趣旨

 イベント開催のきっかけは、BONDと中央大学ボランティアセンター学生スタッフで活 動する中央大生が、これまでの面会活動やデモなどの経験を通して、より多くの人に日本 の「難民」問題について知ってもらい、「私たち」に何ができるのか考えたいという想い から企画されました。イベントに向けて、14:00-16:00という限られたイベント時間の中 で、様々な内容を取り込もうと、主催の学生を中心にBONDと中央大学の担当者で話し合いを重ねました。


プログラムに関して

1. 指宿弁護士の講演

 講演内容としては、i. 名古屋入管ウィシュマさん死亡事件の経緯と注目されるべ き問題点 ii. 仮放免者の子どもたちの問題 iii. 入管制度の問題点 iv. 戦後入管体 制と民族差別・人権侵害 v. どうすれば入管制度を変えられるのか?といった内容 でした。

 指宿弁護士は、ウィシュマさんが飢餓状態であっても、入管は点滴や十分な外部病院受診を行わせず、事件後も、裁判で正当に事件に向き合おうとしない状況を指 摘し、入管問題の深刻さと重要性を参加者に強く訴えかけました。参加者の中には、ウィシュマさんが入管でどのように過ごしていたか、亡くなる前にどのような対応 を受けていたのか、亡くなった後もどうして真相が明らかにされないのか、知らな かったという人が多数いました。

 入管制度の問題点として、無期限の収容や国際基準から外れた難民認定手続きの運用など、改善されるべき問題は残っています。戦後から続く、日本の外国人受け 入れの基本姿勢と入管制度の問題点は、日本で暮らす、仮放免者の子どもたちにも大きな影響を与えています。彼らは、アルバイトや就職ができず、国民健康保険に 加入できません。  

 講演の締めくくりとして、指宿弁護士は、学生・市民が入管問題に声を上げ、行 動を起こすことが重要であると、参加者に強く伝えました。イベント参加者の多くが、入管問題を知ること、声を上げることの重要性に気づき、市民としてどのように活動できるか、考えるきっかけになったのではないでしょうか。

2. 学生によるトークセッション

 本イベントを企画した学生と中央大学ボランティアセンターの学生スタッフ1名がトークセッションを行いました。具体的な内容としては、i. 入管問題に対して、 闘う理由と想い ii. 日本での差別意識 iii. 市民として声を上げるということの3 つでした。

 最初に、主催者は、BONDで活動を続ける理由と本イベントの開催理由について 話しました。日本の入管問題や差別問題の中で苦しんでいる人がいる状況に対し、 声を上げること、解決に向けて行動することの重要性を感じたことが大きいと述べていました。

 次に、日本の差別問題に関して、日本で差別を受けることが、当たり前のように感じてしまっている被差別者がいること、日本にはたくさんの無自覚な差別が行わ れていることについて、実例を挙げながら話されました。登壇者は、日本で見られ る差別の形を二つ(①目に見えないこと ②悪気がないこと)を取り上げ、差別が 横行する理由を2つ(①タテ割りでトップダウンの制度・行政・システム ②心の差別、民族差別の問題)に分類しました。

 最後のまとめとして、登壇者は、「無知の集団の暴力性」を引き起こさないために、私たちの社会で起きていることを知り、声を上げないことは、人を傷つけることに繋がるという意識を持つことを伝えました。そして、人を人と見ずに、外国人 の命はどうでもよいといったような、国のやり方を許さないためにも、入管問題における当事者の声に耳を傾け、市民として、声を上げ続けることの重要性を強調し ました。



3. ディスカッション

 参加者の中には、初めて知った名古屋入管ウィシュマさん死亡事件の詳細に、衝撃を受け、入管問題に対して、声を上げ、行動を起こしたいといった方もいらっしゃいました。一方で、長期的に見たときに、法律を変えようと働きかけるのか、 継続して人を巻き込んでいくためにはどうしたら良いか分からず、まだ遠い問題に感じるといった声も見受けられました。


最後に

 今回のイベントは、BONDで活動する中央大生が主催となり、開催されました。 入管問題に立ち向かう、弁護士と主催学生が抱く、「このまま見過ごしてはならな い」といった強い想いを通して、イベント参加者は新たな視点に気づき、考えるきっかけとなったのではないでしょうか。 また、BONDとしては、当事者をさらに苦しめる入管法改悪案を再び市民の声で 廃案に追い込むため、毎週金曜日の国会前でのシットインや2月23日の全国一斉行動にて入管の人権侵害を許さない市民の声を示していきます。行動を起こす1つの方法として、一緒に声を上げましょう!


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