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1985年に創業した「台所用品の専門店」の元名物店長Kさんのお話。

「台所屋雑貨店」は輸入生活雑貨卸販売の老舗である南海通商株式会社が、1985年に創業した「台所用品の専門店」です。

調理器具、製菓用品、食器、お箸、保存容器、お菓子、洗剤、スポンジ、エプロン…
店内のどこを見てもキッチン用品でいっぱい。
棚や平台だけでなく、壁や天井にまで古今東西の台所用品が所狭しと並んでいます。

お玉ひとつ、計量スプーンひとつとってもたくさん種類があってどれがいいか悩んでしまう…主婦の方からプロの方まで、誰もが満足できる、その品数の多さが台所屋雑貨店の最大の特長です。

多種多様な雑貨が並ぶ店内は、どこか昭和時代のようなノスタルジックさを感じさせ、料理が大好きな方はもちろん、そうでない方でも見ているだけでワクワクするような、とても楽しいお店です。

台所屋雑貨店Logo

そんな「台所屋雑貨店」で、ツンツンと立ち上がった髪型と優しい笑顔が印象的なKさんは、渋谷店と市川店の元店長として南海通商に30年以上勤め、たくさんのお客様に台所用品の良さを伝えてくれました。

お客様やメーカーの方から「名物店長」と慕われたKさんに、いろいろ貴重なお話を伺ってきました。

―台所屋雑貨店で働き始めたきっかけを教えてください。

『台所屋雑貨店 渋谷店&市川店元・店長・Kさん』

「渋谷東急プラザの『丸鮮渋谷市場』の中にあった魚屋さんと知り合いで、その魚屋さんから台所屋雑貨店でスタッフ募集しているよ!と教えてもらったのがきっかけです。
その縁がなければ、そこから30年以上台所屋雑貨店で働くことにはなっていなかったと思います。」

―元店長として、台所屋雑貨店で働くなかで、どういったところに楽しさを感じましたか?

「台所で使う物って、日常的に使う物じゃないですか。
毎日使っていくうちにその道具の使い勝手の良さが少しずつ分かってくるんですよ。これは良い・これはダメって言うのがだんだんわかるようになって、『良い物』を知識として得られるということが一番楽しいです。

―店長時代、商品の選び方や並べ方にこだわりはありましたか?

客層に合わせた商品を並べる。(市川店)

「私は渋谷と市川のお店しか知らないけれど、客層に合うものを仕入れるようにしてました。それはもう基本中の基本だよね。
市川店は渋谷店と違って飲食店の人はあまりいないから、一般家庭で年齢が高い人が多いので、そういう人に扱いやすい物を仕入れてるようにしてました。
それと、仕入れる時に営業さんとかメーカーさんに必ずどんな商品か、具体的にどこがどういうふうに良いかを確認するように心がけてましたね。
ただ並べているだけじゃダメですよ、自分がその商品の説明が出来ないと販売できないじゃないですか。」

―お客さんに合わせて商品を仕入れると仰っていましたが、例えばどういったものを仕入れていましたか?

高くても良い物を売りたい。(市川店)

「市川は金額が高い物が好きな人が多いです。
もちろん、高ければなんでも良いってわけじゃないですよ。
例えばこの5000円のお茶碗。私は高すぎると思うし、使わない。
そう思っちゃうともうダメ。売れないですよ、だってもうお客さんに説明しようとしないし、売ろうとしなくなっちゃうから。

高くても質の良い商品を仕入れて売るのは大っっ好きですよ!
「こんな高いもの売れないですよ!」って言われちゃうような商品でも「大丈夫、売るから。任せて」って。
「ここに来ればデパートみたいな高い商品があるんだね~」って何回も言われました。
そういう商品があれば、高い物が好きなお客さんも来てくれるようになります。」

―渋谷店に勤め始めてから、店長になるまでの歴史を簡単にお願いします。

すべてのはじまりになった渋谷店。(渋谷東急プラザ / 1985年 – 2015年)

「働き始めたのは、渋谷店がオープンしてから一年後くらいだったかな。周りに合った八百屋さんがザルにお金を入れてるみたいな、そんな時代。

最初は子供が小さかったからパートで入って、だいたい朝から16時半くらいまで。子供が高校生くらいになった頃には18時くらいまでの勤務でした。

店長になったのは2代目店長が辞めてからなので、働き始めてから12年以上は経ちますかね。」

―店長になってから渋谷店が閉店するまで、何年くらいでしたか?

「うーん何年くらいだろう。10年弱くらいかな。
店長になった時、渋谷店がすごい赤字で。南海通商の会長から「頼むね」って言われたんで、「任せてください」と言い切りました。
色々と試行錯誤して、その赤字をゼロにしたんですよ!だからそんなに短い期間ではなかったかと。」

―店長時代で、印象的なエピソードがあったら是非お願いします。

「渋谷店に関しては、近所の飲食店の人がすごく多かったので楽しかったですよ。毎日毎日来てくれる人もいっぱいいました。
六本木から来てる人だったり、芸能人だけが来る焼き鳥屋のオーナーさんとかもいましたね。「私もお店行っていい?」って聞いたら「高いよ」って(笑)
閉店の時はすごい花束を持ってきてくれました、ハグ付きで。」

―閉店の時のエピソードは素敵なものが多いですよね。

からっぽになった店内(渋谷店)

「渋谷店はファンが多いお店だったので、最後はもう何から何まで売れちゃいましたね。
『台所屋雑貨店』の文字が入った汚い踏み台とかも「それ売ってください」って言われたので100円で売りました。相当ボロボロだったけど、「思い出に」って。

包丁ケースなんかは書道家の方が買ってくれました。浅い引き出しが何個も付いていたので、長い半紙を入れるのにちょうど良かったそうです。
下が観音扉になってて道具が入れられる!すごく良い!って喜んでましたよ。
配達できませんよって言ったんですけど、「それでも絶対欲しい!取りに来るから!」って買っていかれました。

その方みたいに取りに来る方、たくさんいましたよ。エレクターとか、汚いし持ち帰るの大変なのに、それでも欲しいって。最終的にお店の中空っぽになりましたね。」

―あの時はすごかったですね。『思い出に買う』というのは、見ていて感動しました。

「ガラクタみたいなものでも「思い出で欲しいから」っていう方はすごく多かったです。
なんでもない木の箱とかでも買ってくれました。もともと備品だった物まで、あらゆる物が売れましたね。」

―「名物店長」と言われたKさんですが、自分が他の直営店の店長と違うところがあるとしたら、どんなところだと思いますか?

「名物かどうかわかりませんけど、ヘアスタイルじゃないですか?笑
どうなんだろう…『会話をすること』ですかね。お客様との会話。すごく喋ります、私。」

―会話が苦に感じることはないんですか?

「全然!全くならない!もう自分からお客さんに寄っていく感じ。
『「あ、お客さん来た~」シャシャシャシャ(這い寄る』みたいな。
話すことが苦になるということはないですね。」

―働いていると嫌な出来事も多々あるとは思いますが、Kさんはそれがほぼ無い印象でした。それは何故ですか?

「そりゃあたまにはありますよ、理不尽に怒鳴られたりとか。
だけどそれを上回るくらい、仕事が楽しかったんじゃないですかね。
あと雑貨が好きなんでしょうね。道具を使って料理するの、楽しいですもんね。面倒臭いってことも無いです。

昨日の夜も、「そうだ、明日は朝5時に起きて卵焼きサンド作ろう!」とか考えちゃうくらいです。」

―お店に立つうえで、こんな工夫をしていました。ということは何かありますか?

(渋谷店)

ディスプレイですね。
渋谷の時なんかもマネージャーに綺麗に並べてもらったりしてたんですけど、雑誌の撮影じゃないから、ただ綺麗に並べるだけだと「台所屋雑貨店」の雰囲気とはちょっと違ってしまうんですよね。

なので、お客さん目線になって目を引くようなディスプレイになるように作っていました。渋谷店のあった場所の関係上、入り口のところのアイキャッチが大事になるんですよ。
そこを通る人に「あっ!」て思わせるようなディスプレイにすることは心がけていましたね。

それと、こんな物があったらいいなって思うものはたくさん仕入れさせてもらいましたね。

お客さんから「こんなの欲しいんだけどあるかな?」って言われた時も「大丈夫きっとある!」って。こんな会話から信用って生まれますもんね。

行儀よく並べた綺麗さよりも、インパクト重視のディスプレイを意識(渋谷店)

―お客様との信頼関係を作れたな、と感じるエピソードはありますか?

「リニューアル前の市川店で、いつも夕方頃に来る30代くらいのお兄さんがいて、外見はサラリーマンじゃないしいつも黒い服を着てるから何をしてる人なんだろうと興味をもって話かけてみたら、書道家の方でした。自炊をしているらしくて、色々と料理のアドバイスをしたことがきっかけで会話するようになりましたね。

特に買う物が無い時もお店に来てくれるんですよ。「今日は何も買うものないんだけどね~」って言いながら私に寄ってくるんです。
それで「こんなの作ったよー」って料理の写真を見せてくれるので、「じゃあ次はこんなふうに工夫するといいよ」みたいに楽しく会話させてもらいました。

特に梅酒の話は盛り上がったね。

その書道家の方が「梅酒を作る」って言うから、『プラムを一緒に浸けると色が良くなるし、少しずつ綺麗に変化する色が楽しめるよ』アドバイスしました。実際やったみたいで、「色も楽しめたし、味も良かった!」と喜んでくれました。」

―最後に、お客様へのメッセージをお願いします。

「台所屋雑貨店はたくさんの道具は揃っているので、スタッフにぜひ声をかけてほしいです。あれは無いか、こーゆーのは無いか、こんなものを探してるんだけどって。
そんなふうに言ってもらえるような店になれたらいいですね。」

――貴重なおはなし、ありがとうございました。

●「台所屋雑貨店」オフィシャルサイト


・Kさんイチオシ商品・

数ある台所商品の中から、
Kさんが自信をもってオススメする商品をいくつかご紹介。


匠技 玉子焼き 中 フライパン

匠技 玉子焼き 中 フライパン(4,180 円)

国内金属専門メーカーが造る、匠の技が光る特厚アルミフライパンです。
熱効率がよく均等な火加減で玉子焼きを焼くことができます。
「誰が作っても失敗しないですよ」とKさんも太鼓判を押す逸品。


亀の子スポンジ

亀の子スポンジ:実店舗のみ取扱

優れた抗菌効果を持つ銀イオン系抗菌剤や有機系防カビ剤をスポンジに練り込む事で、菌やカビに対して高い抑制・防止効果があります。やや目が粗く、抜群の水切れ・泡切れを実現。スポンジが長持ちします。

スタンダードカラーのイエロー・ホワイト・グレーに加え、期間限定カラーのスイカ・オーシャンも店頭販売中です。

ステンレス製スクレイパー(左) / ステンレスおろし金(右)

・ステンレス製スクレイパー(左)1,485円 / ステンレスおろし金(右)3,146円

軽く手を動かすだけでサクサクおろせる切れ味が自慢のおろし金と、おろし金の目に詰まった食材が綺麗にとれるスクレイパー。

Kさん「ウチではスクレイパーを『あつまれ』と呼んでいます」


リング付きステンレス製盆ざる

・リング付きステンレス製盆ざる(21cm/24cm/27cm)

日本製のステンレス盆ざるです。
頑丈なフレームとアミで、優れた耐久性を実現しました。リングが取っ手になるので水切りしやすく、フック掛け収納が可能。

盛り付け、油抜き、湯通し、粗熱取り、麺類・野菜などの水切りに。


頑丈なざる

頑丈なざる

丈夫な金網を使い、高い強度を誇るステンレス製ザルです。
荒いメッシュで水切れが良く、洗う時にスポンジが引っかかるストレスがありません。

頑丈なざる(浅型 19cm/22cm/25cm・深型 25cm/19cm/22cm)

洗いやすい一体成形型で、外付けの補強線や繋ぎ目が無く、補強線が外れたり網が切れるといった心配がいりません。


ムッキーちゃん

ムッキーちゃん(528円)

柑橘類などの厚い皮を簡単にむくことがでる皮むき器です。
外皮も薄皮もこれ1本できれいにむける優れモノ。
アウトドアやお見舞などのときにもおすすめです。


トマトスライサー

トマトスライサー(1,694円(税込))

世にも珍しい、トマト専用のナイフです。
非常に薄くシャープに作られた刃はよくしなり、トマトを崩さず皮も身もサックリ切ることが出来ます。 


越後乕徹 磨き三徳

越後乕徹 磨き三徳(店頭販売のみ)

驚くほどの切れ味で、肉・魚・野菜と食材を選ばずにサクサク切れる三徳包丁です。高級感溢れる見た目ですが、税込みで一万円くらいと意外とお手頃価格。

毎日の料理が楽しくなります!


店舗情報


●東京都 / 台所屋雑貨店      祐天寺店
〒153-0065 東京都目黒区中町2-47-5
Tel:03-3719-8291
通常営業:open 10:00 / close 18:00

●千葉県 / 台所屋雑貨店      市川店
 
〒272-0034 千葉県市川市市川1丁目1−1
Tel: 047-702-9880
通常営業:open 10:00 / close 21:00

●埼玉県 / 台所屋雑貨店      浦和店
〒330-0055 埼玉県さいたま市浦和区東高砂町11−1 浦和パルコ B1
Tel: 048-611-8134
通常営業:open 10:00 / close 21:00

台所屋雑貨店Online Store

●「台所屋雑貨店」オフィシャルサイト




各種お問い合わせは、
南海通商公式サイト」からお待ちしております。


■ 南海通商株式会社 公式サイト

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