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山で見かけた人影を追ったら、遭難した人を発見した話

怖さ:★★☆ 

私が高校生の時に知り合いの方から伺ったお話です。

その方は登山をするのが好きで、いろいろな山を登っていました。鍛えていたら足の太ももがすごく太くなって、ウエストはゆるいのに太ももが入らないからなかなか合うズボンがないという話を聞いて、登山する人は大変だなあと思った記憶があります。

さて、その方がある時、山に登りました。山を登っていて、ふと普通だったら人が入らないような場所にちらっと人影が見えたそうです。気になって、一緒に登っていた仲間に「ちょっと見てくる」と言って一人、コースを外れて人影が見えた方に向かいました。

私は山のことは全く知りませんが、コースを外れているということは、もしかしたら遭難しかかっているというか、そんな危険性もあるので確認したと言っていた気がします。

ところが人影が見えたところに行ったけれど誰もいません。見間違いだったのなら良かったと思って仲間のところに戻ろうとした時に、下の方に鮮やかな色が目に入りました。

それは登山の服で、そこには亡くなってからしばらくたった人がいました。荷物を調べるとどこかの大学生で、その登山の計画は、単独で登るには無理のある計画だったそうです。

「成功したら、きっと大学のサークルとかでもスターになれるというか、皆から尊敬されたのだろうけど。無茶なことをしちゃったんだろうな……」と言ってたのが、とても印象的でした。

ちなみにその時、登山用の服の色が派手というか、目立つ色をしているのは、もしも遭難とか何かが起こってしまった時に発見されやすいようにという理由があると教わりました。

話し手:昔の知り合い
採取時期:1990年代
採取場所:東京都内

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