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深夜残業中に複合機を使おうとしたら、誰かの足音がつけてきた話

怖さ:★★☆ 

先輩が後輩と二人で残業した時の話と同じ、東京・下町にある、幽霊が出ると噂のオフィスでの話です。

ある日、先輩が残業して、一番最後に退社した時のことです。明かりを消して、真っ暗な部屋の中をフロアの出口に向かっていると、突然すぐ横のパソコンが立ち上がりました。当時その会社ではデスクトップのMacのパソコンを使用していたそうですが、暗い中いきなりふわっと画面が光った時はすごく怖かったと言います。

そんなオフィスで、今度は先輩の同僚が、やはり深夜に一人残って仕事をしていた時のことです。

その方はパソコンから出力した書類を取りに、席を立って誰もいないフロアを、複合機の方に向かって歩いていきました。古いオフィスビルで、床にはさまざまな配線を通してその上にカーペットを敷いていました。そのため凸凹が多く、また歩くと足音もします。ところが、その方はふと自分以外の誰かの足音がついてきていることに気が付いてしまいました。

ドン、ドン、ドンと歩いて立ち止まってみると、その後を少し遅れてトン、トン、トンと同じ歩数、同じリズムの足音がします。ドン、ドン、ドン、ドン、ドン、ドンとちょっと早歩きをすると、トン、トン、トン、トン、トン、トンとやはり自分の歩くリズムに合わせて誰か違う人の足音がするのです。これは、まずいことが起こっていると感じたその方は「今、後ろを振り返ったら、絶対にやばい」と、自分の後をつけてくる足音を無視しました。

その方は体も大きく、ラグビーの選手のようながっしりした体格をした「怖いもの知らず」という方でしたが、その時だけは怖くて背中が汗だくになったと語っていたそうです。

話し手:先輩
採取時期:2019年10月
採取場所:居酒屋

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