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こんな週末に小説「クジラアタマの王様」をお薦めしたい

群衆怖い

昔から群衆ってのがなんとなく怖い、若い頃にはデモしている人とか、渋谷のスクランブル交差点でハイタッチしている人とか、老若男女問わずに群衆としか認識できないレベルの人間の集団に嫌悪感を持っていた。最近になり、「そう言った人もいるよな。」と理解できるようになって、嫌悪感はなくなりはしたものの、やはり自ら群衆に入っていこうとは思えない。

昨日、ドラックストアなどの店頭からトイレットペーパー・ティッシュペーパーが無くなった、誤情報に踊らされる人や、音頭をとった人、踊らされた人を馬鹿にする人や、音頭をとった人を責める人、やはりそこには群衆ならではのダイナミズムがあってちょっと引いた。みんなそれぞれに、守りたいものや、正義があってバラバラに行動した結果なのはわかるが、私にはどの集団も同じ方向に向かって進む群衆に見えて暗い気持ちになった。

そこでお薦め

ウィルス感染の騒ぎで軽く疲弊したときに、ちょうど良い本がある。伊坂幸太郎著「クジラアタマの王様」だ。伊坂幸太郎氏と言えば、映画化もされた「ゴールデンスランバー」や「グラスホッパー」などエンタテイメント性が高い小説の作者としてご存知の方も多いと思う。「クジラアタマの王様」は少し不思議で、すごい楽しいエンタテイメント作品だ。

勿論、楽しい小説を読んでただテンションを上げるのも良いが、この作品は新型鳥インフルエンザが猛威を振るう日本が舞台だ、そこで家族の感染を案じる人や、最初に感染してしまった人、感染者の家族など、色々な立場の人の行動や気持ちを擬似体験できる。しかも楽しく。(重要!!)(重く疲弊している人にはお薦めしないけど。)

この楽しい作品を読む人が増えれば、感染症が流行ったときの擬似体験を持った人が増えて、少し世間が良くなるのでは?とエンタテイメントに過度な期待を込めつつこんな週末にお薦めしました。



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