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ハレー彗星の発見者は、生命保険の生みの親!?


河野太郎防衛大臣が本日、航空自衛隊に新編する宇宙領域専門部隊の名称を「宇宙作戦隊」とすることを発表しました。
宇宙作戦隊! なんだか地球防衛軍みたいでワクワクする名前ですね!

というニュースにあやかり、本日は宇宙に関連した雑学をご紹介します。

ハレー彗星を発見した天文学者

私たちが住んでいる地球は太陽系にあります。
この太陽系、惑星ばかりが回っているわけではなく、小さな彗星もあります。

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そのなかでもっとも有名なのが、ハレー彗星と呼ばれる星です。76年周期で太陽の周りを公転し、紀元前より記録に残っている彗星です。周期彗星番号という、軌道が確定した彗星につけられる番号では、ハレー彗星が1番となっています。

このハレー彗星ですが、名前の由来となっているのは、17世紀のイギリスの天文学者エドモンド・ハレーです。

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1682年に出現した彗星を観測したハレーは、過去の文献を読み解いて、宇宙空間におけるこれらの彗星の軌道を算出しました。同じような軌道を描いていることから、過去に観測された彗星はすべて同一であり、周期的に訪れるものであると考えました。周期彗星の発見ですね。

ハレーは研究の結果、次は1758年ごろに戻ってくる(回帰する)と予測しました。そして1758年、彼の予言通り、クリスマスの夜に彗星が観測されました。
このとき、すでにハレーは亡くなっていましたが、彼の功績をたたえて、この彗星は、ハレー彗星と名づけられたのです。

生命保険に応用

軌道の算出など、計算が得意だったハレーは、もうひとつ別の成果を残しています。
それは、生命保険です。
え、なぜ? 天文学と全然関係ない生命保険!? と、首をかしげる人もいるかもしれません。ハレーが残した成果とはどのようなものなのでしょうか。

生命保険とは、現代でも多くの人が加入している、加入すれば定期的に掛け金を払い、その代わりに死亡すると遺族に保険金が支払われる制度のことです。

ハレーが生きていた時代にも、すでにギルドや修道士たちの間で存在していました。
ですが、掛け金が年齢に関係なく一定だったことで、長続きしませんでした。組合員が減っても、ひとりあたりの掛け金は変わらないため、保険金の確保が難しくなったり、年寄りと同じ額を長い期間払い続けるのを嫌った若い組合員が参加しなかったり、といった問題が起きたからです。

ここでハレーが活躍します。
1639年、ハレーが得意の計算を駆使して、一定年齢までの生存と死亡の割合を統計的に解析した「生命表」を作成しました。死亡年齢の平均がこれくらいだから、〇歳の人の掛け金はこれくらいですよ、といったものです。

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このハレーの統計によって、イギリスでは加入者の年齢に応じた適切な掛け金ができ、本格的な生命保険が誕生したのです。

出来る人は特定のジャンルに留まらないのですね。突出した個人が世の中を変えることは往々にしてあることを再認識させられました。


参考資料:
『世界の偉人おもしろ雑学』博学面白倶楽部(三笠書房)
JAXA


Ⓒオモシロなんでも雑学編集部

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