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春の気配

雪が一晩降り積もる。
あっというまに一面真っ白だ。
ついさっきまで見えていたはずの草たちがふかふかの雪で覆われる。だが、お昼時にはなにもなかったかのように雪は姿を消してしまう。草木は雪解け水を言わんとばかりにも吸い上げ、すくすく成長していくことを考えると胸が躍った。

ついに春だ。春の匂いが鼻をくすぐる。
長いようで短い冬が終わりを迎えようとしている。今年はなんだか少し寂しさを感じた。
アメリカに来て2ヶ月。1人で小屋に籠ったり、マイナス20℃の中でキャンプをしたり(後日詳しく記述予定) 、今年は特に冬を満喫したように感じる。今まで寒いからという理由だけで遠ざけていた冬。そんな冬に愛着が湧いてくるぐらい、不思議で魅力に溢れていた。

だが、春への移り変わりはそれを通り越すぐらい早くも美しさで溢れている。

溶けた雪の中からは小さな芽が顔を出したり、動物が冬眠から目覚めたり、静かな冬とは一変して少しずつ騒がしくなってきた。

辺りを見渡すと
どんぐりを口に加え走り回るリス。
うさぎは草原を飛び回り、鳥の囀りも響き渡っている。

そう言っても3月。
本格的な春が待ち遠しくて仕方がない。

これからもこんな季節の美しさに身を委ねながら生きていきたい、そう思わずにはいられなかった。

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