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30歳過ぎ、独身女、ひとり旅。

自分で書いて言うのもなんだが、単語を並べただけなのに破壊力がえげつない。悲壮感がプンプン漂い、自分探しフラグがバッキバキに立っている。おそらく多くの人が私を想像して、哀れみながら「頑張ってね」と励ましてくれることだろう。

生まれて初めてひとり旅というものをしてきた。別に人生の岐路に立たされたとかでもなく、急に彼と別れたとかでも無い(むしろフリー歴5周年)。今まで、ひとりで旅行することに意味を感じてこなかったというか、余計に寂しくなって現地で孤独死するのでは?ということが心配で避けてきた。

わたしにとって「他人との共感」というのは生きていく中で必要不可欠であり、これのために生きているといっても過言ではない。普段の仕事終わりに、「今日もお疲れさま」と言って、互いを労う瞬間に幸せというものを感じる。そのため、旅先の美味しいもの、美しい景色は、隣にパートナーがいないと途端に凶器と化す。この気持ちをどう処理すれば良いのだろうかとやり場をなくし、感動するレベルが上がるほどに孤独が助長されていく。おそらく満点の星空とか見たら、死ぬ。イケメン(特に岡田将生)に悪霊として取り憑く。




そんな理由でずっと避けてきたのだけど、夏休み初日に突然に私は決断し、翌日早朝には新幹線に乗っていた。出不精なくせに我ながら大胆。

あの衝動は一体何だったのだろう…今振り返ってみてもよくわからないが、一つ言えることは、明確な理由や強い感情は無かったということ。いわゆる、なんとなくというやつだ。

モチベがゼロなわけではなく、行きたいとは思っている。ただ、それが何なのか言語化できない状態のまま、家を出た。正体不明な感情に身を任せていいのかという不安もありつつ、人間の行動にまともな理屈なんてないだろうという変な自信もあった。


話は若干逸れるが、よくネットで「好きな人から連絡が来ない!?本当の理由トップ10!!」みたいなゴミクズ記事がアップされている。脈が有るだの無いだの、本当に仕事で忙しいだの、その人次第でしょと言いたくなるアンケートと考察が無意味に繰り広げられている。ただそんな中でも、とあるアンケート記事だけは非常にしっくりきた。そう、返信しない理由の1位が「なんとなく」だったのだ。

これを言葉にしたかったんだなと、パズルのピースがちょうどハマった感覚。悪い人じゃないし、つまらないわけでもない、気が乗らないわけでもない、だけどLINEは返さない。よく理由は分からないけど、そんなことを多くの人が経験したのではないだろうか。


この「なんとなく」という言葉は何一つ説明していないように見えて、実のところ、人間の混み入った感情を適切に表現しているとわたしは考えている。一個一個の評価項目を定義したり、点数をつけている訳でも無いが、総合点が目標に到達しないという状況。だから、気になる人から連絡来ない理由を考えることは反省するという意味で必要なことだが、あまり深入りしてもしょうがない。くよくよしすぎないことが重要だ。




話を元に戻すと、私も今回様々な状況が重なって決断した。金と時間が十分に取れた、やりたいゲームが無い、好きな映画が全くやってない…etc、どれもこれも理由の一つであるが、そのどれもが決め手では無かった。

ただ、これだけだと「なんやねんこのnote、公開すんなボケナス」になってしまうので、結論めいたことを一つだけ。わたしの中で最も強く心を動かした理由は、「ひとりで旅をすると一体どれぐらい孤独になるものか」ということを知りたかったからだ。

旅の果てに、一人で生きていくための強さが増すのか、それとも、人生のパートナーを求めたいと思う気持ちが増すのか。わたしにとってこれは非常に重要な人生の問いかけであり、いくら机上でこねくり回しても解は得られない。やってみないとどういう感情が芽生えるかは分からない。だから実験をすることにした。この結果はきっと将来婚活をする上で非常に重要な判断材料となるだろう(リケ恋の雪村みたいになってきたな…)。

そして実験の場には京都を選んだ。観光も食も非常にレベルが高く、孤独を味わうに最もふさわしい。(トップ写真は深夜の二年坂。昼の賑わいを失った通りはとても物悲しい)




さて、ここまで読んでくださった稀有な方々はなんとなく私と境遇が似ている?かもしれない。孤独とはいったい何なのか、なぜ結婚したいのか、彼氏といるのに結婚に踏み切れないのは何なのか、そもそも誰かと一緒にいたいというのはどこから生まれる感情なのか、そんな拗らせまくり人間に読んでもらえたらうれしい。メッセージなんかもらえちゃったら、お中元送りたい(カルピスね)。

わたしも今自分がどういう感情になっているのか、はっきりしているわけではなく、文章書きながら振り返っている。この物語の次の一歩がどうなるか、私が一番楽しみにしている。そういう意味でこの旅は冒頭で触れたように「自分探し」といえばまあそういうことなのだろう。普通の人が考えるものとはちょっと違うかもしれないけど。


これ以上書くと、とんでもない量の執筆になりそうなので今回はここまで(読み返したら旅行すら始まってねぇな…)。ちょっとまだ、旅の結論を書くまでには至れそうにないのと、思い出を記録に残しておきたいので、次回は純粋に旅の思い出を語っていこうと思う。とにかく脱線しまくりだけど、そんな道草を一緒に楽しんでもらえたらうれしい。



<次回(仮)>
京都二泊三日で真の女子力向上!
~太陽光よりも周囲のカップルの視線に気をつけろ~





おしまい



P.S.
一人行動ができず思い悩む人に言いたい。「それ、別に普通の感情だから」と。ほんとにちょっとしたタイミングの話だと思う。別に私と何ら変わらない。

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