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ひと
2020年11月12日 13:16
母は褒め上手だ。よく私が描いた絵を褒めてくれた。優しい子だと言ってくれた。私が作った料理やお菓子をおいしいと食べてくれた。そんな母は私が高3のときに家を出て行ってしまった。経済力のある父に私と弟を託して。離婚後も、たまにお惣菜やりんごを持って母はうちを訪ねた。なぜりんご?と不思議だったけれど、「林檎が赤くなると医者が青くなる」と言われるように、私たちの健康を祈っていたのかもしれない。以
2020年11月12日 13:14
父は名前に巳の字を含む。あれ?己だったかな。いや、巳で合ってるか。いつも、どっちだったっけと悩んでしまう。実の父の名前なのにな。「お父さん似だね」と言われるがまま、自分はお父さん似なんだと思っていた幼少期。僅かな反発心を抱くようになったのはいつの頃だろうか。高3の冬、両親の離婚が決まった。「お父さんは自分で決めたことはちゃんとする人やけん」という母の言葉通り、父は一通りの家事をこなし