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[世にも奇妙な物語]いまそこにある戦争 ワールドウォー・コロナ(World War;C) ー 2020年5月ごろから来た男 ー

妙なことになった。今日は2019年のゴールデンウィーク初日。
居酒屋のカウンター席で、友人をまっていると、横に男が座ってきた。

友人が来たのかと思ったが、ちがった。男はマスクをしていた。
そして、唐突に語り始めた。酔っ払いの戯言だと思ったが、まぁ友人の時間潰しだ。ちょっと付き合うことにした。

「2020年、つまり来年はすごい大変なことになるねん」

「はぁ、、、というか来年ですね。そろそろ、オリンピックとかですね。あ、会場は大丈夫なんですか?」
「会場はなんか大丈夫やねん。ただし、競歩は北海道でやるで」
「え!? 北海道で!? なんでですか!?」

「東京の夏、暑いやん」

「まぁ確かに暑い、、、いや、暑いけど!! 暑いけどそれってふつうに前からわかってましたよね!!?」
「今年の夏、めっちゃ暑いねん、それでこりゃあかんとなるねん。確か」
「たしか!! いま“たしか”っていいませんでした?」
「いや、しゃあないやん、わいもテレビの情報しかないから、ただまぁそうなるねん」
「テレビ!! 情報源、テレビ!!!」
「まぁインターネットのYahoo!ニュースの方がおおいかも」
「Yahoo!ニュース!!!」
「べつに一般人だから極秘の情報とかないねん、ただ、めっちゃ暑そうということでなるねん、まぁ結局、オリンピック開かれないんだけどね」

「オリンピックやらないの!?」

「とりあえず、2020年にはやらへんねん。それどころじゃなくなってるから」
「そ、それどころじゃない? オリンピックが開ないほどの。。。世界崩壊?」
「まぁ、2021年にはやる予定なんだけどね」

「2021年にはふつうにやる気なの!?」

「そやねん。とりあえず1年延期やねん」
「なんかめっちゃ締め切りに追われてとりあえず仮ぎめした感じ!!!」
「まぁそれはべつにええねん。わい、あんまオリンピック、興味あらへんから」

「つまり要約すると、オリンピックが延期にはなるけど翌年には開催できるくらいなひどいことがおこると、、、」

「まぁ2021年にできるかはわからんけどな」
「わからないの!??」
「いや、わい、2020年から来てるさかい、2021年のことはわからんのよ」
「微妙!!!! めっちゃ微妙!!!!!」

「とりあえず、なにがおこるんですか・・・・・・」

「未知のウィルスによるパニックやな」

「うわぁ!! ベタなやつだ!!! めっちゃベタなやつだ!!!!」
「ベタベタいうなや。。。こっちは大変やねんぞ」
「す、すみません、、、、それ、ゾンビになったりはしないんですか?」
「ゾンビにはならへんねん」
「じゃあ、致死性がすごいとか。。。」
「いや、それもすごくないねん」
「かかったらなおらないとか。。。」
「ほぼほぼ、治るで」
「未知の症状とか・・?」
「インフルエンザと同じようなもんや」

「なにが大変なんですか!!!!?」

「それでも大変やねん!!!!」
「ほんとですか!?」
「こっちはマジでしんどいねん!!」

「いや、そもそも大変の定義がちがうのかもしれませんね。。。うーん、、どう大変なんですか?」
「わかりやすいところからいこか。とりあえず。。。。。」
「とりあえず。。。。」

「マスクがなくなるねん」

「・・・・・・・・・・・・」
「マスクがなくなるねん」
「いや、聞こえてます。えーと、それはマスクがなくなるってのは、どういう意味ですか? マスク工場が閉鎖とか」

「いや、みんなめっちゃマスク欲しがって、買い占めが起きて、店頭からなくなるねん」
「買い占め!!! マスクの!!!!?」
「そうやねん。買い占めやねん」
「え、それはマスクがあると予防効果があるんですか?」
「いや、ほぼほぼないで」

「予防効果ないのかよ!! 前後矛盾してるやん!!!」

「それでも必要やねん! 咳エチケットとか大切ゆうやろ!!」
「それはそうですけど、、それいまと変わらなくないですか?」
「深刻度が違うねん。 なんとあのアメリカ人までマスクするからな」

「アメリカ人まで!! まじか。。。」

「まじやねん。最初はマスクwww とかいうてた奴らも、最終的にマスクするねん」
「しかし、それもまぁ解消傾向やな」
「みんなが買い占めをやめたんですね」
「いや、やめてないで」
「やめてないのかよ!!!! というかみんなめっちゃ買い占めるな!!」
「まぁべつに不織布マスクじゃなくてもいいってわかったから、代替品でなんとかなるし、あとあれや、政府が配るねん」
「政府が?」
「政府が布マスク2枚くれるねん」

「絶対、嘘じゃん!!!!!!」

「嘘じゃないねん。ほんまやねん。しかもネタっぽいけど、これで値段の吊り上げができなくなった業者が、買い占めてたマスク出したりし始めたし、案外バカにできんのよ」
「まじかよ。。。。布マスクなんて、小学生以来つけてないというか、、まだうってたのか。。。。」
「わいもまだ見てないけどな」
「見てないのかよ!!」
「だからわい、2020年の5月からきたいうたろ、これから配られるねん」
「微妙だなぁ。。。」
「とりあえず、あとトイレットペーパーがなくなるから」

「オイルショックじゃん!!!!」

「そやで。お前、あの喜悲劇を体感できるで」
「したくないよ!!!! そもそもなんで売り切れんすか!? あれですか、石油がとまったりとか。。。」
「いや、全然関係ないのに、なんかみんながめっちゃ買ったら一時期店頭からなくなるねん」
「適当すぎる!!!!! ぜったい、適当な話してるでしょ!?」
「ほんまやっちゅうねん」
「オイルショックとか小学校の授業でもやってるのに、またそんなことするんですか?」
「それが起こるねんなぁ・・・・まぁもしそうなっても落ち着けや。ちょっとしたらふつうに買えるようになるから」

「めっちゃデマに踊らされてるじゃないですか」

「そやな。。。人間のサガやで」
「それでなくなるのがトイレットペーパーとマスクなのか。。。」

「まぁこの辺は余談やねん。ほんま、会社にもいけへんなるしな」
「まじすか!? 」
「ほんまや、外食も基本、NGや」
「ええ、、、、食料は、、、食料はどうしたらいいんですか?」

「テイクアウトや」

「テイクアウト!! 店やってる!!!」
「あとコンビニとかスーパーや」
「店、開いてる!!!!!!」

「そのへんは一応やってくれてるねん。ほんま、感謝やねん」
「まじか、、、なんか俺が考えてる世紀末感とちがうな。。。。」
「まぁ店の中だと三密になっちまうからな。。」
「三密・・・・・?」
「しまった。そうか、、まだこの頃はない言葉だったな」
「うわっ! 急に未来人み出してきたよ!!!!」
「まぁ人が密集したらあかんから、店にいくなってことになってん」
「でもテイクアウトはOKなのか。。。」
「まぁそのへんは店の人大変だからそんな茶化せへんからもういうなや」
「す、、、、すみません」

「ええんやで。この時代は居酒屋で過ごせるが、一年後にはできなくなるねん」
「そんな、、、、まじすか。みんなはどうして過ごしてるんですか」

「Zoom飲みや」

「Zoom飲み!?」
「そや、一人じゃ寂しいから、オンラインで画面見ながら飲み会をするねん」
「微妙。。。。未来なのかどうなのか、微妙な、、、、、」
「さすがにずっと一人だと人間寂しくなるねん」
「そんな、、、2020年のGWはみんな、どうやって過ごしてるんですか」
「これはあんま言えへんけど、ほんま国が緊急事態を宣言して、外に出れなくなるねん。ただし、外に出ることを禁止できないから出かける人は出かけるねんけど」
「理解に苦しむ説明ですが、まぁ、、はい」

「だから大体の人は、家にいて、本読んだり、テレビみたり、AmazonプライムとかHuluとかNetflixとかみたりして、あと寝て過ごすねん」

「だらだらしたゴールデンウィークじゃん!!!!!!!」

「ちなみにお前さんの2019年のGWは、ほとんど寝て過ごすで」
「めっちゃ近未来予測きた!!!!!!!!」

「さて、、そろそろ、友人もくることだし、行くかな」
「え・・・?」

そういうと男は唐突に、席を立った。
そして、男の言葉通りに友人が到着する。

ーーーいくら未来から来たと言っても、ここまで個人的なことを知っているということは

そして、ふと思う。外出自粛なのに、俺には会っていいのか?

※最新情報については厚生労働省等のホームページをご確認ください。


最後まで読んでくれて thank you !です。感想つきでシェアをして頂けたら一番嬉しいです。Nazy