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"素直さ" を味方につけたら、憧れがほら、近づいてくる。




わたしは「素直さ」のことを、ずっと生まれ持った性格のことだと思っていた。

まわりにいる素直な人を目にするたび、「あの子は素直な性格だから、人のいいところを見つけられてすごい」とか、「この人はもとから純粋だから、人を妬んだり僻んだりしないんだろうなあ」なんて思っていた。

だけど、実は素直になること、素直であることは意志や能力に近くて、後天的に誰でも身につけられる素質なのだ、ということに最近気づいた。

よく考えたら、わたしも生まれて数年は素直だったはずだ。

それが、社会に揉まれて少しずつ捻くれていって、「頑固」「プライドが高い」と言われるようになり、一時期はまわりからも呆れられてしまうほど、扱いにくい性格になってしまっていた。

そしていま、27歳にして自他ともに認める「素直」になったのは、わたしが「素直になる」という意志を持った上で、その能力を発揮できるようになったからなんじゃないだろうか、と思った。





このことに最初に思い至ったのは、今までなるべく見ないようにしていた、自分が憧れている人たちのSNSを眺めていても「負の感情が湧き上がってこないこと」に気づいた時だった。

その時は、嫌な気持ちにならないどころか、それを見て「よし、わたしも頑張るぞ」と前向きな気持ちになっている自分に気づいて驚いた。

今までは、好きなことを仕事にして自由に生きている(ように見える) 人の発信を見ていると、ざらっとした気持ちになったり、憧れと現実とのギャップに打ちのめされて、落ち込むことが多かった。

そのたびにわたしは、

好きなことを仕事にしたら、きっと収入は妥協しないといけないだろうし、それは嫌だなあ。(だから、今の選択は間違ってない。)

とか、

仕事とプライベートの境目なく、前向きなことばかり発信し続けるのって、大変だろうな。(それってなんだか自分が消費されているみたいで嫌だな)

とか、どこかで言い訳をしながら、自分のことを正当化していた。

それなのに、ついついSNSのアイコンをクリックしてしまい、いつも後悔しながら沈んでいく心を持て余している……そんな日々を送っていた。




けれど最近は、むしろそういう「自分の憧れの生き方をしている人」の投稿を見ていると、自然と勇気が湧いてきたり、希望を感じたりすることが増えている。

些細なことかもしれないけれど、嫉妬や承認欲求、プライドがすっかりなくなったおかげで、わたしはだいぶ生きやすくなった。

ここへくるまでには、かなり時間がかかった。色んなできごとが、わたしをここまで連れてきてくれたのかなと思う。

振り返ってみると、最初のきっかけは、たぶん昨年通っていたオンライン講座「企画メシ」だろう。

あの10ヶ月間の経験のおかげで、わたしは能力としての「素直さ」を身につけることができたんじゃないかな、と思っている。



***




「企画メシ」は企画を学ぶ、月1回・全8回の連続講座。初回の講座では事前に「自分の広告をつくる」という課題が出されていた。

その課題で、わたしは80名からの投票のうち一票も入らない、という大きな挫折を経験した。

その事実をなかなか受け入れられず、涙を堪えながら画面越しに講師の阿部さんの言葉を聞いていたのを今でも鮮明に覚えている。

2回目は、なんとしても誰かの心を動かす企画をつくりたい。必死の想いで臨んだ次の講座では、阿部さんの言葉を忠実に実行した。

それは、「心が動いた企画のどこがいいと思ったのかを言語化して、自分の企画に活かしてみる」こと。

ここで大事なのは、「嫉妬を一旦脇に置いて、素直にいいと思ったことを認め、自分に取り入れる」こと。

正直最初は、「頭ではわかってるけど、それができたら苦労しないよ……!」と思っていた。

なんなら最終講義の直前まで、ほかの企画生がつくる「誰も思いつかなかったようなすごい企画」を目にするたび「うわあ、こんなの自分には思いつけない…すごい……」と、なかなか直視できなかった。

それでも阿部さんの言う通り、「素直にいいなと思うこと」「その理由を言語化すること」を毎回繰り返した。

その結果、感情はもやもやしたままでも、とりあえず良いところを考える、という思考の癖が身についた。

そして最近は、どんな場面でも、それが無意識にできるようになってきている。





これまでは、自分が憧れるような生き方をしている人や、好きなことを仕事にして輝いている人を見ると、眩しすぎてつい目を背けていた。

理想と現実は違う。夢を見るよりも、地に足つけてやるべきことをやらなきゃ。

そんな風に言い聞かせて生きてきたけれど、結局またそんな現状に満足できず、憧れを追い求める気持ちを止められなかった。

だけど、企画メシが終わって8ヶ月経った今、理想と現実が少しずつ近づきはじめている。

「どうして、この人は上手くいっているんだろう?」
「この人の魅力は、なんだろう?」

立ち止まって、考えること。

それによって、今まで自分とはほど遠いと思っていた人との距離をどうやって埋めたらいいのか、理想に近づくために何をすればいいのか、少しずつ解像度が上がってくる。

そのおかげで、彼らの発信している内容を見て、「だからこの人には仕事が集まってくるんだな」と素直に良いところをみつけられたり、「こういうところは取り入れてみよう」と具体的なヒントが得られるようになった。

だからこそ、今は少しずつ、自分の夢を実現するためにようやく行動をはじめることができている。




今までは「嫉妬」というフィルターのせいで目の前が曇って、自分にとって必要なものまで隠れてしまっていた。薄々気づいてはいたけれど、なかなか感情がついてこなかったのだ。


誰かのいいところを、どんどん取り入れていく。
素直に感動して、理由を深掘って、吸収していく。


それをすればするほど、自分の中に必要なもの、欲しかったものが蓄積されていく。そして、夢や憧れに近づいていく。

嫉妬で跳ね返していた頃の自分より、今の自分のほうが、人としても成長しているような気がする。





「素直になる」という意志を持って、それを実行すること。

それは簡単なことじゃないけれど、辛抱強く繰り返していけば、自然と感情に惑わされなくなっていく。そのことを身をもって実感した1年間だった。

わたしもまだまだ、プライドが邪魔して受け入れられない指摘や、自分の10歩くらい先を輝きながら歩いている人を見た時に抱く羨ましさは、完全には手放せていない。

(そもそも、少しは持っていたほうがいい感情なのかもしれない。)



そんな自分も受け入れつつ、柔らかな心と頭で、これからも自分の心が動いたら、見て見ぬふりをせずに素直に感動して、深掘りして、自分に取り入れていきたい。

諦めきれない夢や憧れに、少しでも近づけるように。

"素直さ" を味方につけて、これからもわたしは生きていく。


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