人生ゲーム
髪を洗っているときに驚いた。
なんだこの物体は。
顔であるはずの肉塊は丸い球体に見えた。
髪の毛はその上部にある異物、黒い糸のように見えた。
体ってなんなんだろう。
気持ち悪いな、と思った。
食欲は日に日になくなっていく。
偏食は日々ひどくなっていく。
お菓子ばかり食べている。
太るから食べたくない、そんなに美味しくないな、そう思っているうちに気がついたら321カロリーは体に入っている。
「食べる」という行為に依存している。
生きている気がする、その瞬間瞬間に依存している。
いつからだろう、テレビを見ても何も感じなくなったのは。最後に心から笑ったのは、いつだろう。
心を埋め尽くすのは喪失感。ぽっかりあいてしまっている心は喪失感ですっぽり埋め尽くされている。
人生というのは幸福に過ごすことも不幸に過ごすこともできるのだと思う。
明るくポジティブに生きる人を見ると、純粋に尊敬してしまう。そうやって生きることを自分に課して辛くないのかな、と思ってしまう。
同様に自分のように不幸に過ごす人を見ると深い共感の思いが溢れる。そうだよね、人生なんて楽しく過ごせないよね、つらいことばかりだよね、と。
いーなー、私も人生たのしい!って希望に満ちて生きてみたいとも思う。けどそれは来世のお話。
正直、不幸という悦に浸るのも悪くない。
不幸自慢で上等。
恵まれた環境にない人間なりの楽しみ方だ。
人生という罰ゲーム、どう生きたっていいんだよ。楽しめないなら苦しんで遊べばいいんだもん。このゲームをどうやってゲームオーバーにするかは私が選んでいいんだ。どうやって生きたって、何をしたっていいんだ。
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