多重人格に対する憧れの危険性について / 解離性同一性障害

これは書いておいた方がよいかなと思い、綴ります。

解離性同一性障害(DID)、いわゆる多重人格とは、ひとりの人間に多数の人格が存在する障害です。
人格は、強いストレスなどをきっかけに、記憶や感情の断裂隔離(解離)が起き形成、独自に成長するとされています。

一部の人達、多くは若い年齢層の人達の中には、この多重人格に対する誤った認識から、多重人格になりたい、といった欲求を抱く人達が見受けられます。

中には多重人格の振りをして楽しむ方達も一定数居るようですが、まぁ、それらの人達はそのうち飽きると思うので、今回の話からは外します。

問題は、情緒の不安定さや成長過程における精神の未熟さから、「もうひとりの自分、自分だけの誰かが欲しい」といった欲求を抱えてしまっている人達が居ると言うことです。

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まず、DIDの人格達はそんな方達が考えるような都合のよい存在ではありません

重度のDIDは、記憶を失くしている間に自殺を図り死んでしまったり、望まぬ妊娠をしてしまったり、衝動的に家族や友人に暴行を加えたり、とても危険な状態に陥ります

遁走癖のあるDID罹患者の場合、気がついたら見知らぬ場所、真夜中に山の中で迷子等、それが日常的に起こり得ます。

自傷癖のある人格に代わったままリストカットをし、手当てをしないまま死に至ることだってあり得ます。

望まぬ人格交代の末、職場を失ったり、人間関係を失ったり、そういったことが当たり前に起こります。

話し相手が欲しい、特別な存在になりたい、
そのような甘い考えは通じません。

実際私自身も、記憶は失くさないものの家族に対する加害行為がありました。
家を出たのも、このままでは父を殺しかねないとの危惧があったのも要因のひとつです。
(「あんな奴のために人生台無しにすることはない」とは誰の言葉だったか、。)

辛い時、寂しい時、誰かに居て欲しいと願う気持ちはわかります。
ですが、それを多重人格という障害に求めるのは間違っています。

話し相手が欲しいのであれば、プロの心理カウンセラーを利用されるのが一番現実的ではないかと思います。

繰り返しますが、多重人格は障害です。
憧れたり、振りをしたりするのは止めましょう。

罹患者からしても、非常に不快と言わざるをえません。

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以上、端的にではありますが、多重人格に対する憧れの危険性について書き記しました。

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