解離メモ#5:みやび / 解離性同一性障害

記録。

こんな時間にまた悲鳴が聞こえた。
おなじ、左耳から。

「みやび」の影響と思われる。
吐き気と虚脱感が酷い。

潜んで人生を阻んでいた事柄が、表に出てくるとこうなる。
現実を前に進めようとすると、必ずやって着た何らかの不可抗力、それの原因だと思ってる。

自分の中で何かが争い闘ってる感じ。
ぐるぐるする。

そりゃあ、あれだけのことがあればトラウマにならないわけがない。
『今』になって顕在化する意味はわからないけど、持ち越されてしまったものは仕方ない。

ただなんで私がしんどくならなきゃいけないのかとは、正直思う。
私悪いこと、した?

*

対話を試みる。
一方的な叫び、こちらの声は届かないし目にも入らない様子。

どうか鎮まりますように。

がんばったね。
大丈夫、あなたが生き抜いたこと、私が一番よくわかってるから。

宥めていると、パニックは収まってきた様子。
視線はずっと、ハツハルを視てる。
憎いでもなく、ただ問いかけるような辛い視線。

これは「みやび」のその後、文目の心だ。

どうしてお兄ちゃんがそんなことをする必要があったの。
私にだってわかる、あなたが自分の自己満足のためにあんなことをした訳じゃないって。
関わる必要なんてなかった、放っておけばよかった。

俺は俺の世界から純粋なものが奪われるのが我慢ならなかった。
こんな狂った世界なら壊れたらいいと思っただけだ。
許す必要はない、許される必要もない。
俺は俺の人生を自分で決めただけ。

嘘だ。
決めてなんかいない。
あれは衝動的な行為だった。
私はあなたが私を救おうとしようとしたことを知ってる。
嘘をつかないで。

じゃあ何故叫ぶ?
未だ叫び続けてるのは俺への憎悪じゃないのか。

>ハル、それは違うと思うよ、辛い目に遭えば誰だって困惑も混乱もすると思う。
文目さんは、、みやびはその後の人生でたくさんの経験をしてる。
いろんな想いがない混ぜになって弾けてしまっても、それは仕方のないことだと思うよ。

どうしてわかってくれないの?
どうしたらわかってくれるの。
私はあなたに救われた部分がちゃんとある。
辛いことなんていくらでもあった。
私があのあとどう生きたのか、知らなかったでしょう。
いまこうしてこの場で話すことができてる。
知った今、それでも背を向けるなら私はあなたを許さない。

あなたは元々赦される必要なんてない。
ちゃんと私は救われてた。
あなたが思ったように、救われてた。
応えて。

だとしても、俺が俺を許せるかは別だ。
最期がどうであれ、あんたが生き抜いたと思えてるなら、それでいい。

私は子供を残せた。
満足してるよ。

*

やりとりをそのまま書き記しました。

ハルは私を暖かいぽかぽかした眼で見てくれる人です。
本人が気づいているかはわかりませんが、本当に春みたいな人です。
それをもっと、わかってくれたら、彼の心も少しは報われるのではないかと、そう願ってやみません。

文目さんについてはまた別に書き記します。
彼女の持つ傷み、これもまた辛いものです。

私自身は書き出すことで少し楽になりました。
またお付き合い願えると幸いです。

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