杠。

応援したいと思う。

あたしが彼女を想う気持ちと咲が持っていった記憶とがごちゃ混ぜになって苦しめてる。

交代してあたしの気持ちを話しても受け付けないほど疲弊してる。
いいんだよ。
彼女への想いはあたしが持ってる。
あたしに対してどうこう思う必要はないのに頭の中から追い出せずにいる。
あんたがあたしごと背負おうとする意味ないでしょう。

咲の持っていった経験は辛いだろうと思う。
心を預けた相手が理不尽に死に奪われた経験。
隣で支えられなかった経験。
必要としている人がいなくなる経験。
必要とされなかった事実。
その人が経験したくてもできなかったことが自分に起きてる現実。
自分の幸せを笑って喜びながら陰で泣くだろう彼女の顔。

もう彼女の年齢を十近く追い越そうとしてる。
二十年近く経てばもういいだろうと思えたらこの子はどんなに楽になるのだろう。

いまだ佇むことしかできずにいる。
喚き叫んでは傷つき続ける。
手に入ることはなく溢れてく。
なくしてく。
壊れてく。

耐えられないことがこの世界には起きる。
世界を拒絶しても時は進む。
風化することのない傷は何度でも繰り返す。

ひとよひとよ。
越えてけ。
掴み出した心臓を洗い流せてやればどれだけいいかと思う。


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