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水滴のやうな言葉たち

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詩についての呟き。 詩についてのひとりごと。 わたしの詩論 など。 ふと思いついたこと。気づき。
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#詩が好きな人と繋がりたい

詩にする

詩にする

細かく事実を羅列すると野暮に感じるし、

わざわざ述べる必要はなかったりするので、

詩にしています✒︎

水

詩を書くとき

水の中に潜る感覚がある

悪い夢といえば

水たまりといえるほど

わたしは水たまりが苦手で

水に潜るには

それなりの気が必要

詩を書くことは

毎回挑戦だと思う

詩の待つ水に潜りたい

まず大きく息を吸う

うた

うた

詩を書くことって

耳を澄ますこと

わたしにはそんな感覚

目を閉じて

耳を澄ます

そうしたら

詩(うた)が聴こえてきて

それを自分の器に注いで

わたしの詩は

そうやってできる

耳を澄ましても

うたが聴こえないと

わたしは書けない

home

home

あの泉に逢いに

静かな森の薄闇へ

小さく鈴が鳴る方へ

自分という森の奥深く

だれにも知られずに



ときどきそんな気持ちになる

泉はいつでもわたしを待っていて

いつ訪れても全霊で迎えてくれる

あわい

あわい

歪なピースがひしめき合う
摩擦による微熱に慣れた頃

変幻自在のジェルのように
詩はすぅっと浸透してった

もう隙間があっても怖くない
凸凹した表面は平らになって
寒天包(くる)む白蜜の豊かな透明度

みんなひとつになった

窓硝子を揺する
あの風が止んだ

通りすがりの詩書きです。

通りすがりの詩書きです。

勝手に腑に落ちました
詩人て職人なんやな

なにかの拍子に
詩人とよばれたとき

剥がれかけたシールみたいな
座りのよくない茶碗みたいな
なんともいえない気持ちになって

にわかに
憂いの水滴がにじんでくるのは
自分は職人じゃないから

そのにじみを後ろ手に拭って
その場をやり過ごす
なぜか反射的にそうしてしまう

わざわざ否定するのも野暮だし
肯定もしないけどとりあえず
その数秒さえ無を貫いて

もっとみる

大切なこと

例えば
死ぬ などという簡素な単語で
死 を言い表すのは

命という尊厳に対して
礼を欠いている感じがする
どこかこころもとない

生きていると
大切なことが
ほんとうは足元にも
たくさん転がっていて

大切なことって
軽く言い放つのではなく

心を込めて
敬意をもって
言葉にしたい

だから
詩を書いているのかも

うたう

言いたいこと
伝えたいこと
気になったこと
忘れたくないこと

文章にしたいことを
うたえばいいと思う

わざわざ皆まで言わなくても
うたなら気楽ららるらら…

文章にしたいことを
うたったのが詩だと思う

だから詩は誰でも書ける
詩はみんなのもの

リンカク

与えられた既製のリンカクにはまってると
だんだん具合がわるくなる

リンカクは自分で作ればいい
そうすればすっぽり収まって具合がいい

詩を書くことは
リンカクを作る

自分の書いた詩が
曖昧な存在である自分に
リンカクを与える