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私がグラレコで大切にしていることが実際の保健師活動に活かせそうな話【保健師伴走活動】

こんにちは。ななと申します。
育休中の保健師で、現在グラフィックレコーディング(グラレコ)で保健師に伴走する活動をしています。

グラレコでの保健師伴走活動を始めて半年以上が経過しました。

2022年9月からグラレコをはじめ、11月からグラレコでの保健師伴走活動を開始。

制作した作品数は、50点近く。

週に1回以上は、何かしらのイベントや対話の場に出てグラレコを描き、Twitterで発信をしています。
最近は、やりたいことや参加したいイベントが多すぎて、週2のペースです。楽しい。

また、ありがたいことにワークショップを開催させていただく機会があり、グラフィックファシリテーションを使って、オンライン事例検討会を開催したり。

キャリアデザイン研究会での気づきから、保健師向けにグラレコ×コーチングの試行をしています。


そんな私が、日々のグラレコを通して大切にしていること、これらが実際の保健師活動にも活きそうだと確信している話をしたいと思います。

結論:「魅力を汲み取って、分かりやすく伝えること」を日々意識することで、ケース支援や他職種との連携、自分のキャリア形成にも活かせそう!

グラレコを描くうえでの私のこだわり

2022年11月頃から、いろんな保健師関連のイベントに参加させていただく中で、「この内容、もっといろんな人に知って欲しい!」という気持ちが大きくなり、参加したイベントのグラレコを描くようになりました。

こういった「周知」を目的としたグラレコを描く中で、いろいろな気づきと私なりのこだわりが生まれました。

私なりのこだわり3要素は、

  1. 「魅力」=「その人が大切にしていること」を汲み取り、「魅せる化」する

  2. 周囲だけじゃなくて、スピーカー本人にも自身の魅力を実感してもらう

  3. 「共通言語はない」ということを念頭に、グラフィックで確実に伝える

この3つです。

「魅力」=「その人が大切にしていること」を汲み取り、「魅せる化」する

グラレコを描いていると、スピーカーの方が「ここを大切にしたい」と思っていることが、なんとなく肌感覚で感じられます。

何度も同じキーワードを繰り返したり、特に気持ちを込めて話していたり、表情が変化したり。

普通に聞いているだけだと、その場でふ~んと通り過ぎていくようなことも、グラレコで可視化していると「ここかな」みたいなのが浮き彫りになってくる感じがします。

テキストでベタ打ちでもいいんですが、グラレコだと言葉の語気や表情をグラフィックで残しておけるので、「ここだ!」となりやすいんです。

そして、その人の大切にしたいことが、共感だったり、強い納得感だったり、新たな発見だったりをもたらしてくれて、その人の魅力として映ってくるんですよね。

その魅力が存分に伝わるように、イラストや色を効果的に使うように意識しています。

例えば、こちら。

エンタメ保健学舎 古谷しづかさんによる「メディア活用の未来予想図」

開業保健師でInstagramフォロワー1万人の古谷しづかさんによる「メディア活用の未来予想図」のグラレコ。

しづかさんの「保健師×メディアは可能性しかない!」との熱量高いメッセージは、受講者全員の心に響き渡っていました。

このあたりを、しづかさんらしさとともにグラレコで強く伝えたい。

ということで、大切にしたいメッセージは太字にしたり、キラキラさせてみたり、イラストを添えてみたりしています。

また、しづかさんらしさを表現するために、当日着ていらっしゃってすごくお似合いだったジャケットの色と、会社のホームページの雰囲気からインスピレーションを得て、ミントグリーンの色を基調にしています。

こんなふうに、少しでもスピーカーの方の魅力をグラレコでお伝えできればと頭をぐるぐるしておりまして。

いくらちゃん川岡さんの保健師LIVEに出させてもらったときに、「見える化じゃなくて、魅せる化だ」とおっしゃってくださったので、そのお言葉を拝借し、「魅せる化」を目標に日々取り組んでいます。

周囲だけじゃなくて、スピーカー本人にも自身の魅力に気づいてほしい

グラレコに残し発信することで、より多くの人にスピーカーの方の活動を知ってほしいという気持ちはもちろんですが、同時にスピーカー本人にも自身の魅力を実感してもらったり、思考の整理のきっかけになればいいなと思いながら描いています。

自分がスピーカー側のときに思うのですが、「伝えたかったこと、伝わったかな…」と不安になるんですよね。
ましてや、台本とかないフリートークだったりすると自分で話した内容すら覚えていない。

グラレコをスピーカー本人に見てもらうことで、「あなたの溢れる魅力、こんなに伝わっております!」と伝えたいし、それを多くの人に知ってもらいたいという気持ちで描いております。



こんなふうにスピーカー本人さんから嬉しいフィードバックをいただけると、やってよかったなぁと思います。
(引用リツイートは毎回喜びで震えています。笑)

「共通言語はない」ということを念頭に、グラフィックで確実に伝える


私は保健師として働き、自己啓発休業を取得して大学院に進学した時期があったのですが、大学院での学びの一つに、「同じ言葉であっても、バックグラウンドによって認識が全然異なる」ということを実感しました。

授業で、医学やリハビリテーション学専攻の学生とともにディスカッションする機会があったんですが、同じ医療職同士であっても、言葉の受け止め方が様々なんです。

「地域」や「生活」など、よく使う、だけどもざっくりとした言葉。
その中身をよくよく聞いてみると、お互いイメージしていたものが違うことがあるということを、多種多様な学生と関わる大学院生活ですごく実感したんです。

この違いは、全然悪いことではないと私は思っていて。
むしろ、多様な視点があるからこそ、それを具体的に共有することでいろいろな可能性を創ることができると考えています。

ただ、グラレコに関しては、スピーカーの方が意図した意味で伝わってほしい。そこからまず始まると思ってます。

なので、大学院での教訓である「『この認識は自分だけかも』と意識し、相手と具体的に共有すること」を常に意識することで、スピーカーと私の認識にずれが生じないよう配慮しています。

自分の汲み取った言葉のイメージをグラフィックに落とし込むことで具体化し、スピーカーの意図とずれていないことが確認できれば、グラレコを見る人にも確実に伝わるはず。

言語だけでは共通認識は持てない可能性を念頭に置き、グラフィックを掛け合わせることで確実に伝えることを大切にしています。

グラレコマインドは、実際の保健師活動にも活きると思う

グラレコが仕事に活きるといっても、会議の報告書や公文書として認められるのは遠い未来のことでしょう。笑

しかし、上記のような私がグラレコを描く上での心がけは、実際の保健師活動にも活かせそうだなと思うのです。

保健師の"魅力"をどう他者に伝えるかは、他職種との連携や自分の自信にも繋がる

大学院の多職種連携の授業で、「自職種の役割を30文字で答えてください」という問いが出たことがあります。
そのくらい簡潔に答えられないと、他職種に理解してもらえないよと。

ただ、こちらの記事にも書きましたが、保健師って役割について問われた時に胸を張って答えられないんですよね。

非常に多岐にわたることをやっているので、簡潔に答えにくい。
そのため、他の人に「保健師って何やってるの?」と聞かれると、言葉に詰まってしまうし、頑張って答えてもなんだか微妙な反応をされる。

これは、保健師の日々のもやもやポイントでもあり、キャリアの行き詰まりを感じるきっかけにもなります。

こんな時、自身の日々の活動をグラレコ風にまとめて振り返ってみたらどうでしょう。

「私、こういう感情かも」
「私の大切にしたいこと、これかも」

頭の中が整理されて、自ずと「自分の大切にしたいこと=自分の魅力」が浮かび上がってくるはずです。

魅力って、「自分だからこそ!」という部分だと思うので、ある種「役割」に通じると思うんですよね。

グラレコは要約能力も鍛えられるので、「魅力=役割」が簡潔に凝縮された形になって出てきます。

そしたら、自分に腹落ちしやすいし、他者にも伝えやすくなる。

自分の活動をグラレコというプロセスで振り返ることで、自分の活動にも自信が持てるようになるし、他職種ともコミュニケーションが取れやすくなりそうだなと思います。

私の2022年のグラレコ風振り返り。
これをまとめてから、自身の活動について格段に話しやすくなった。

対象者の「大切にしたいこと」を汲み取って、ケース支援に活かす

スピーカーを、保健師活動での対象者に置き換えると、ケース支援にも活かせそうです。

グラレコは、基本的にはリアルタイムで描いていくので、日々描いているうちに自然と、スピーカーの繰り返す言葉や表情・語気の変化を逃さないぞというトレーニングになっています。

これを、対象者さんへ支援する場面に置き換えた時、対象者さんが同じ言葉を繰り返したり、気持ちを込めて話したり、表情を変えた場面をグラフィックでメモとして残しておくんです。

そうすると、対象者の「大切にしたいこと」がなんとなくわかってくるかもしれません。

それは、対象者の「強み」かもしれないし、「ニーズ」かもしれない。
描いてみることで、いろいろな気づきが得られそうです。

また、グラレコ風にまとめておくと、職場内でも相談しやすそうですよね。

まとめるというプロセスで自分の頭の中が整理できますし、まとめたものを見せながら相談できるので、話しているうちに「私、何相談したいんだっけ~?!」とパニックにならずに済みます。

グラフィック事例検討会(略:グラケン)は、まさしくそれ。

ケースを可視化することで、頭のもやもやが晴れ、職場内でも共有しやすく、より良い支援が浮かびそうです。

【お知らせ】グラケン(グラフィック事例検討会)研究会をオンラインでやります

保健師活動に、たくさんの可能性をもたらしてくれそうなグラレコ。

さらなる可能性を探るためにも、グラケン(グラフィック事例検討会)研究会をやります。

グラケン研究会の告知

【日時】2023年6月3日(土)19:00〜(2時間程度)
【場所】オンライン
【費用】無料
【対象者】原則、保健師・保健師を志す看護職/学生
※保健師活動にどう活かすかという内容が入りますが、保健師以外でもご興味がある方もよろしければどうぞ!
【申し込み方法】こちらのフォームまでどうぞ。
https://docs.google.com/forms/d/1Bl339f5tbm6bEm3JyPnMzakoW5pFPqG-FZ6DgOVl9nk/edit

前回3月にやってみて、参加者の満足度100%だったグラケン。
ただ、「グラレコ、ハードル高い…!」と思われる人も少なくなく。

でも、実は絵が苦手でも大丈夫で、コツをつかめば意外とできるんです。

当日は、ペンと紙を用意して、みんなでわいわい描きながら一緒にグラレコの可能性を探りましょう~!


ということで、グラレコでの保健師伴走活動が半年経過した今思う、私の大切にしたい「魅力を汲み取って、分かりやすく伝えること」。
今回は、ここから得られる、実際の保健師活動で活かせそうな場面を考えてみました。

これからも保健師×グラレコの可能性を考えていきたいと思います!

★Twitterで保健医療福祉専門職向けにグラレコで情報発信しています★