【暗号解読】「雪栄さん」のメッセージは、麻薬密売の通信手段だった！（都市伝説）

池袋と新宿の自動販売機に貼られた「雪栄さん、戻ってきて。」「雪栄さん、また一緒に暮らそう。」のミステリーメッセージが、このところSNSを中心に、じわじわと話題になりつつある。
実際に、筆者も人通りの多い歌舞伎町の入り口付近で発見した。

男女の断絶を思わせる、かなりショッキングな張り紙である。

この張り紙は、2019年末頃に発見され、今も尚少しづつ情報を増やしながら、貼り足されていることから、「現在進行形の都市伝説」とも形容されている。

画像：【怪奇再び】「雪栄さん、戻って来て。」の貼り紙が新しくなっていた……/ 佐藤英典

また、YouTubeチャンネル「島田秀平のお怪談巡り」の都市ボーイズの解説によると、池袋と新宿、風俗街に多く貼られているらしい。
つまり、ブラックで物騒な地域に「雪栄さん、戻ってきて。」のメッセージは頻発している。

画像：動画  「雪栄さん、戻って来て」【島田秀平のお怪談巡り】より

この張り紙行為の第一印象は、男女間の個人的なメッセージや、それを装った猟奇的な愉快犯の仕業のようにも見える。
また、情報そのものが少なく、底なしに深まる謎めきから、心霊怪奇現象の一種と想像を広げる人も少なくない。

が、冷静に他を考えてみると、麻薬密売人の線も浮かび上がってくる。

実は、張り紙（アナログ通信）は、プロ犯罪組織に都合の良い手段である。
もともと、売人（プッシャー）は古典的な手段として、街中の落書きやシール（タギング）に暗号を潜ますことを知っている。

つまり「雪栄さん」は、暗号メッセージに判別できるのだ。

ドラッグで、「雪」は「覚せい剤」 の隠語である。
続けて「栄」は「輝かしく立派」「A級」だと理解できる。

それにより「雪栄」は「最上の覚せい剤」だと認識できる。

さらに、これらを整理すると「雪栄さん、戻ってきて。」は「最上の覚せい剤、もう一度ください。」の意味になる。

プロの売人は通信記録を、一切残さず、素性も明かさないので、このような回りくどい暗号（隠語）を日常的に使用する。

また、この張り紙による通信は、犯罪性が低く巧妙だ。
恋愛絡みの個人的な「張り紙」は、警察にパクられにくいのだ。
逆に、単純な「落書き」は毀損行為として、犯罪になる。

また、同じ文面をコピーしていることから、いつでも切り捨てられる下っ端が、業務的に作業していることも推測される。

画像：【怪奇】「雪栄さん、戻って来て。」のナゾ……/ 佐藤英典

そして、2月になると、事態は動く。
張り紙の上に「圓山くん 会いたいです」と、メッセージ付きのシールが貼られていた。

画像：【怪奇再び】「雪栄さん、戻って来て。」の貼り紙が新しくなっていた……/ 佐藤英典

もちろん、これも見逃せないメッセージだ。
「圓」は、旧字の「円（お金）」なので、
「圓山くん 会いたいです」は「金を山のように持ってこい」の意味になる。

1月と2月の張り紙を繋げると、
「最上の覚せい剤、もう一度ください。」の問いに対し、
「金を山ほど積めば売ります」と、きちんと返答していることがわかる。

これは、かなり大規模な麻薬取引と言って良いだろう。
その背後には、必ず大きな密売組織が動いているのだ。

一般人は踏み入ることのできない、完全にプロの領域。
密売組織Aが密売組織Bに覚せい剤を、公然と卸し売りする秘密取引。

最上の覚せい剤の条件に、万札の山積みを要求しているわけだから、一千万円クラスの大型麻薬取引になるのは確実であろう。

そして、最新の3月張り紙には、二つの名字（おそらくダミー）が記載され、三枚を連続させると、取引の進行状況が見えてくる。

1月 麻薬密売組織B「最上の覚せい剤、もう一度ください。」
↓
2月 麻薬密売組織A「金を山ほど積めば売ります。」
↓
3月 麻薬密売組織B「ミズノとハシモト（偽名）が対応します。また一緒にドラッグ商売しよう。」

以上、暗号と隠喩が無駄のないパズルのピースのように収まった。

尚、同じ張り紙が増えているのは、ダミーを量産しカモフラージュにもなるからに違いない。こうして、世を騒がせている隙にも、麻薬組織は、着実にミッションを遂行しているのだ。

おそらくもう、麻薬売買は次の段階に行ってしまい、「雪栄さん、戻ってきて。」の都市伝説は、大きな謎を残したまま終わりを告げるだろう。

しかしまた、反対に、筆者の推論を超えて、伝説は大きな展開を迎えるかもしれない。

今後も動向に注目する。 が、真相は闇の中にある。