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子育てシンプルアドバイス

 久しぶりの友人から突然メッセージが届いた。お子さんのことで相談だった。「誰に相談したら良いかわからない」「どうしたら良いかわからない」の言葉に、子育てって本当に迷宮だよな...と思った。そんな時に思い出してもらえて、なんだか嬉しかった。

 子育ての相談は、お料理とかお掃除の話と違って「こうしたら良いよ」とか「こうしたらうまくいく」っていう一般的な答えが無いから私は飽くまでも自分だったらこうするかな、という答え方をする。でも私は仕事でも教育に長いこといるし、知識も方法もたくさん持ってる。あなたの様には出来ないわ、という感想で終わってしまわないように、私がそうするであろう理由も書く。
 要は私が子どもとの関わりの中でしておきたいことや伝えたいことを書くけれど、伝え方や言葉・タイミングはあなたとお子さんの関係だからわからない、ということもしっかり伝えるということ。そしてそこでどんな風になってもちゃんとあなたの想いが伝わるのならそれでOK、ということも伝える。

 子どもと向き合う時のコツはある。ポイントもある。気をつけることもいろいろある。技術的には。でも、それよりも何よりも伝える側が「伝えたいもの」を「伝わる様に工夫」して届けるのが大切。うまく伝わらなかったら、この方法は私たちには合わないということがわかる。うまく伝わったら嬉しい。でも私が一番思うのは、どっちに転んでもそのプロセスが大切だということ。目先の成功や失敗にこだわらないこと。
 彼女がお子さんのことを見て見ぬ振りしたり放置したりせずに、「誰に聞いたら良いかわからない」と言いながら、どうしたらいいのかと悩みながらも「子どもにどうにかして向き合いたい」と思っていること、その想いこそが大切なんだと思う。

 私の拙い返信にすぐ感謝のメッセージを返してくれた彼女。結局彼女は私がどんなことを言ってもきちんとお子さんと向き合う人なんだと思う。そして私はほんの小さな力でその背中に触れただけ。

 彼女が送ってくれた言葉の中に「困った時に真っ先にあなたが浮かんだ」という嬉しい言葉があり、更に『あなたなら、子どもの気持ちがわかると思って』と。
 その言葉が全てを物語っていると思う。彼女は自分が言いたいことを子どもに押し付けたいわけでもなく、自分の思い通りに子どもを動かしたい訳でもない。彼女は「子どもの気持ちに寄り添いたかった」
その目的があったから、私を選んで声をかけたのだ。彼女は元からちゃんと答えを持っていて、彼女の子どもたちは本当に幸せだと思った。

 私に子育ての相談をしてくださる方には、「誰でも出来る」や「こうすれば良い」という言葉を使って押し付けない様に気をつけている。それぞれのキャラクターや気分がある。もし「こうすればいい」と言い切ってしまうと、それが出来なかった場合に親は自分を責める。自分を責めて心が弱ってしまうと、自分のことで精一杯になって子どものことなんて考えられなくなる。それが一番怖いこと。そしてこれが子育て最大の悩み。私も「私が親じゃなかったらこの子はもっと幸せだったかも」と思う時が一番辛かった。自分が全て間違っている様な気がした時。

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 ボランティアの絵本の読み聞かせに10年以上関わっていた。その中で学んだことで一番気に入っているのは、「自分の好きな本を読むこと」という言葉。本の持ち方、声、いろいろなテクニックは学んだが、最終的にはこの言葉が一番好き。理由が好きだから。理由は以下の通り。
 自分が好きなことはその「好き」という気持ちが出る。その「好き」が子どもたちに伝わっていくのが良い。子どもたちに何を伝えたいかというと、本の内容というよりは本を通して「楽しいね」という気持ちの共有。
当然子どもたちにもそれぞれ好みはあるし、読み手が選んだ本は100%全ての子どもたちにハマらないかも知れないけれど。楽しそうに本を読む大人の姿から子どもたちに伝わる幸福感や希望は計り知れない。

 「誰かが良いと言ったから」と無理してそれに合わせていくより、子育てだってそれぞれのタイミングや伝え方がある。自分なりの関わり方を見つけていけたら、それが一番。大人が自分を責めたり人と比べたりせずに、自分と子どもに向き合っていけるように、私はいろいろな人の背中にそっと触れ続けていきたい。

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