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小説

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記事一覧

音のないざわつき

子供の頃、毎週土曜日の夜が怖かった。両親、わたし、弟がいて食卓を囲んで、そして寝静まる。…

NaminoKanata
1か月前
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Want to seek life

1LDKのマンションの一室のベットルームで一組の男女が互いを求めあっている。このマンションは…

NaminoKanata
5か月前
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虚ろい

僕の同僚の女性が自殺した。そんなに親しかったわけではないけれど、好きだと告白されたことが…

NaminoKanata
6か月前
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リトルフィクション

森の中を歩く夢をみた。影が潜む森の恐怖を冒険心に変えて、わたしの小さな手は何かをつかもう…

NaminoKanata
7か月前

Lust ラスト

2月にしては暖かい夜だった。行きつけのBARで一人ハイボールを飲んでいたら、女性に声をかけら…

NaminoKanata
7か月前

サイレントウェーブ

7 山城さんの次の予約の時には制服を着た娘さんが一緒についてきた。もっと陰気な少女を想像…

NaminoKanata
8か月前
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サイレントウェーブ

6 波佐間さんの知り合いという夫婦の予約の当日の日が来た。波佐間さんから聞いた連絡先にこちらから連絡して都合のつく時間帯を調整した。電話でたずねたアンケートによると、30代後半の夫婦で、ご主人はコンサルタント会社を経営していて、波佐間さんとは仕事の付き合いだがあるとのことだった。そして13歳になる娘さんがいてその娘さんのことでの相談らしい。 予約はAM10:30 。予定より10分早く訪れた30代後半の夫婦は何やら大きな後ろめたさを感じているような雰囲気だった。 「山城様

サイレントウェーブ

5 その日、洋服や小物など自分の買い物を少しして家に帰宅した。その時最初に感じた変化は、…

NaminoKanata
8か月前

サイレントウェーブ

4 その日の夜自宅に帰って、久しぶりに穏やかな夢を見た。何一つ覚えておらず、ただ深く眠り…

NaminoKanata
8か月前
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サイレントウェーブ

3 香奈は今、叔父さんが経営している輸入雑貨店で働いている。どうやら新しく店舗を一店舗増…

NaminoKanata
8か月前

サイレントウェーブ

2 大通りから小さな路地に入ったところにいくつかの飲食店が並んでいる。その並びの一角に待…

NaminoKanata
8か月前

サイレントウェーブ

1 わたしには名前がない。朝起きて、身支度を済ませて、適当に朝食を済ませて、歯を磨いて自宅…

NaminoKanata
8か月前

ウソツキ

ー7ー 待ち合わせは今いる東口の駅の路地裏付近。着いたら連絡くれるという。たどり着いて10…

NaminoKanata
1年前

ウソツキ

ー6ー 夜の街を歩くのはとても気分が良かった。どこでもいい、とりあえずお店にでも入ろう。わたしはファストフード店に入って飲み物だけをオーダーする。休日のお店は混んでいたけれど疎らに空いている席を、店内に入った時に見つけていた。この騒々しさは今日のわたしには居心地がいい。席について、わたしはスマホを取り出して ―会いたいー と一言メッセージを送った。 相手は半年前に出会った28歳のサラリーマン。 「お姉さん、美人なのにもったいないね。」 製薬会社で清掃の仕事をしてい