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水を体に

水を飲む時間が来た。
私は一滴も飲まずにいたものだから
水そのものが『水を飲む時間だ』と、伝えに来た。

いつもそうなんだ、私は水を忘れてしまう
その度に水は伝えにくる
『水を飲む時間』だと

水はどうしてその事に気がつくのか、私には分からなかった。
水は、いつもいないのに、ここぞというタイミングでやってくる。
ただ『水を飲む時間』ということを告げるだけのために。

私は辺りを見渡す
そういえば、見渡すことも忘れていたのだ
水を飲んでようやく、私は辺りを見渡したのだった

そして呼吸をした

水はもうそこにはいなかった

水は私の体の中に、消えたのだ。



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