『伊勢物語』芥川02(古典ノベライズ後編)
(昨日 ↓ からの続き)
以下は、別視点からの話。
この話は実際には、Pが別の国の姫であるDのところ遊びに行ったときのことだった。そのときたまたまそこに居合わせPを見つけたMが、そのあまりの美しさに「結婚したい」と半ば無法な拉致を敢行したところ、製造元のN社がこれを聞きつけて、プログラムを点検し直しMを捕まえ引き留め、Pとの間の付いて離れずの適切な距離感をプログラミングし直したのだった。
この拉致は、予定にない動きだったという。
バグである。
初期のコンピューターゲームには、バグだか裏技だかわからぬ異常が多かったと聞く。
その、助ける者と助けられる者とのいつまでも結ばれない焦(じ)れったい間柄を、ゲームのユーザーの中には「鬼だ」と評する者もいた。
まだこのMシリーズが、初期のころの話だとか、3作目のときだとか、いやいやシリーズ化する以前の彼らキャラクターの思い出であるのだとか、そもそも何の話なんだか……まぁここまでイニシャルやってきたが、いかなる実際の団体とは関係ないことだけは確かである。
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