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22歳になった

 ついこの前、22歳になった。

 おそらく、人生ではじめて、1人で誕生日を過ごした。

 誕生日は、内定先の説明会と面接があった。

 今年は彼氏からも(いない)友達からも(前日の夜にお祝いでご飯行ってくれた子がいた。ありがとう)誰からも誘われなかった。

 実家にいたときは家族とケーキを食べた。
 2年前と3年前は友達に家に呼んでもらって祝ってもらった。
 去年は元彼にディズニーに連れて行ってもらった。

 誕生日を丸一日1人で過ごすことになって、
 寂しくなって切なくなって、どうしようもなく虚しくてつらいんじゃないかと思って、怖かった。
 誕生日なんて来なければいいと恐れていた。

 だから、面接の予定が入ってくれて、けっこう嬉しかったし救われた。
 あまりにも弱っちいね、私。笑

 朝起きて、身支度して、スーツを着て、電車に乗って、会場に向かった。いつもは時間がなくてバタバタしまくって走ったりするのに、今日は走らずに間に合った。
 面接はゆるくて、もはやお話という感じだった。

 誕生日の翌日は、卒論に協力してもらったある病気を持つ方を通じて、テレビの取材を受けることになっていた。
 大学構内を歩くシーンから、研究室で作業するシーン、インタビューまで。丸一日の撮影の予定があった。
 だから、流石に可愛くなりたかった。一生であるかないかの貴重すぎる機会だからね!

 慌てて美容院とマツエクの予約を入れて、スーツのまま向かった。

 マツエクのデザインや長さを担当の方と話しながら考えるのはワクワクする。かわいい世界。
 そして、マツエクをしてもらいながら眠る時間、けっこう好きだ。

 出来上がって手鏡で見たまつ毛、めちゃくちゃ可愛くて、心臓が弾んだよね。

 ルンルンしながら駅の中のPLAZAに行った。

 誕生日プレゼントと称して、はじめてプチプラじゃないリップを買った。(と言っても1600円とかだけど)(いままでキャンメイクとかの600円とかのしか使ったことなかった)
 あと、シェーディングとマスカラも買っちゃった。うれしかった。お金使い過ぎなのにな。笑

 私、割とスーツ着てる自分好きで。

 なぜか身体や足が細く見える気がするし、歩くとヒールがコツコツいうのも好き。凛とした女性になった気分になれるから好き。
 服装はキリッとしてるのに髪型や顔は可愛い、みたいなギャップがあるのも好きなのかな。(自分で言うな)
 あと、白黒がやっぱ落ち着くのかもしれない。ルンルン。

 私がこんな自己肯定感高いなんて、去年の誕生日の自分は想像できないよね。

 忘れもしない去年の今頃。
 私、彼氏と外でご飯食べながら寂しさや不安に負けて大泣きして、彼氏に迷惑かけて恥晒させて、自分に失望して嫌すぎてウザすぎて消えたくて死にたくて、世界で1番自分が嫌いで、電車の中でも頭が割れるように痛くなるまで泣き殺して、家についても泣き叫んで、自己嫌悪に塗れた反省文書いてたんだよ。

 成長したね。

 そして、面接で提出する証明写真のサイズが間違っていたから、撮り直さなきゃいけなかった。

 めんどくさかったけど、別日にスーツを着て撮りにいく方がだるいと思って、頑張って証明写真機を探して撮った。えらい。
 プリ機の中みたいに証明写真機の中も割と盛れるから、たくさんふざけて自撮りをしておいた。誕生日だしね。

 ソロ撮影大会を終えて外に出たら、まさかの、
 ピンク髪の女の子が、証明写真機が空くのを待っていた。

 証明写真機で証明写真撮ってる人なんて見たことなかったから、まさか待ってるなんて思わなかった。
 待たせてごめんなさい。颯爽と逃げた。

 時間はまだ21時あたりだった。

 帰ってもいいけど、誕生日はまだもう少しあるな。
 この時点で、もう十分1人でも楽しい誕生日だった。全然寂しくなかった。
 自分が、寂しくならない自分でいられたことが、嬉しかった。

 駅前を歩いて、そういえば今日まだ何も食べていなかったことに気がついた。

 ミスドとラーメン屋さんがあった。
 人生初の1人ラーメンを選択した。

 狭い武蔵家。お客さんは、スーツを着たおじさん数名か、イヤホンをしたメガネの若いお兄さんでほぼ満席だった。店員さんもおじさんと大学生のセンター分けお兄さんだった。清潔感のないお店だった。

 ラーメンはほうれん草入りにした。気持ちばかりの野菜と誕生日の贅沢ね。
 ご飯は?と聞かれて、しっかりお願いしますと答えた。ご飯は絶対必要なんだからね。

 夜21:30にして一食目、かつ家系ラーメン。
 一口目、美味し過ぎて、拳突き上げて叫びたかった。

 うわ、これどうしたらいいの???

 めっちゃ美味しいのに、表現できないじゃん!!!!!あーーー、誰かといれば「おいしい!!!!」って言って1000点満点のスマイルで食べるのに!!!!!!!

 1人だから喋れないし、ニコニコしてるのキモいし、1人で美味しそうに食べてるの店員さんに見られるの恥ずかしいし、

 え、どうしたらいいん?これ、と思った。

 でも、だんだん、

 1人で美味しさをゲージ満タンまで感じて、でもそれを言葉にも表情にも出さず、自分の中に閉じ込めてぎゅーーーっと押し殺して噛み締め殺す、これもめちゃくちゃアリだな、と思えてきた。
 幸せの濃度と吸収率がめちゃくちゃ高い感じがした。

 そんなわけで、濃い濃い美味しさを押し殺しながら食べて、お店を出た。

 出るときに、店員のお兄さんが、「よかったらどすか」と小さいカゴを差し出してきた。
 何かと思ったら、ペロペロキャンディー。

 今まで何人もお客さん出て行ったけど、誰にも渡してなかったじゃん!

 女性用なのか子ども用なのか(誕生日用なのか)分からないけど、喜んでみどり色を選んで、いただいた。
 私が今日人からもらったものはそれだけだった。 

 私の今年の誕生日プレゼントは、センター分けお兄さんがくれた、みどりのペロペロキャンディー!

 そんなわけでやっと電車に乗って帰宅して、家に着いて、東海オンエアを見ていたら誕生日は終わった。

【22回目の誕生日で学んだこと】
・私は誕生日に1人でも、ワクワク楽しめる!(それくらい強くなった!)
・誰かと食べるご飯もいいけど、1人で濃度の高い幸せを噛み殺して食べるご飯もアリ!

 たのしくて、収穫も多くて、可愛くて、美味しくて、充実してて、めっちゃいい誕生日だったな。
 超幸せだった。

 22歳のいいスタート切れた気がするよ。

 まあ次の日の取材、早速5分遅刻しちゃったんですけどね。笑(ダメだよ)

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