Vol. 139 落語にそれを持ち込むか? ある女流噺家に思ったこと
1月30日、NHK「目撃!にっぽん」で、ある特集が放送された。その番宣記事がこちらである。私はTwitterで目にし、とても複雑な気持ちになった。↓↓
落語にそれを持ち込むか?
いわゆるジェンダー問題である。
これを書いた女性記者は落語を聴きながら違和感を覚えたそうだ。
「落語の中の女の人、ちょっと都合よすぎない??」
●見ず知らずの人と結婚することになるのに相手が武士だからハッピーエンドになったり(注:井戸の茶碗か?)
●娘が身売りして作ったお金を父親が気前よくあげてしまったり(注:文七元結か?)
という筋立てに出会った時、違和感を感じ 〝素直に楽しめなかった〟そうな。
本当かよwww
読んで私が真っ先に感じたのはそれだった。
この人、本当にそんな感想を持ったのか?
ちゃんと落語聴いたのか?
内容にツッコミどころ満載だぞw
ただ単に流行りのジェンダーっぽい案件を見つけ「いいネタめ〜けた!」とばかりに乗っただけじゃないの???
しかし女流噺家の林家某も同じ思いを抱いているという。そして
「ジェンダーの観点から見ると今の風潮には合わないなっていう話は実は結構あります」と、古典の改作に挑んでいるそうだ。
私は基本、噺家を悪く言いたくない。だから詳細は省く。詳しくはこの記事を読み自分で判断して欲しい。でも、1つだけ言いたいのは
落語って〝そういうもん〟じゃないですか?
ということだ。
そこに「意味」なんて持たせなくてもいい。「風潮と合わせ」なんかしなくてもいい。もっとサラッとしたもんじゃないんですか? 意味を見出したいならそれは聴いた客がする。演者が押し付けるものではない。「女性目線の落語」もいい。でもじゃあ男性客は排除するのか? ある一方に偏るというのはそういう事なのだよ。
実は私、文七元結については正統派古典の名手として知られるK師匠と話したことがある。これは師匠が文七元結をかけた直後の会話だ。
私:「師匠、〝娘を売ったお金を人にあげちゃうってどうなのよ問題〟は演じ手としていかがお考えですか?」
K師匠:「(真顔で)あのね、それをそう考える人はですね、これを演らなきゃ〜いいんです」
非常にアッサリとしたお答えだった。
そして師匠の文七元結はとてもサラリと聴きやすく「違和感」なんて全く感じない。聴いたあと温かな余韻に浸れる名作だ。
察するに、この女流噺家はタレント志向なのだと思う。師匠選びにもそれが表れている。実際彼女は二つ目という身分でありながらアイドルオーディション「ミスiD」に応募しており、当時も批判が多かった。
私は彼女の高座を一度だけ見たことがある。
正直、前のめり過ぎて聞き辛かった。
ウケたい・目立ちたい・売れたい、という姿勢が芸に出ている。
とは言え彼女も彼女なりにもがいているのだろう。若いうちに色々チャレンジするのは結構な事だ。ただ、若さゆえの心配もある。
それは「飲まれる」ということだ。
日本人もどきにより作られている国営放送=NHKに出演したことで彼女は様々な方面から注目を浴びるだろう。ソッチ方面の仕事が増えるかもしれない。でも決して本分を見失うな。
立川談○楼・○水のようになったらお終いだ。
古典芸能への冒涜にだけはならないで欲しい。
気を付けて!そして頑張れ! つる子さん。
※※※今回は落語ブロガーとしての猫ムスメが復活してしまいました(^_^;) noteのフォロワーさんには微塵も興味のない話だったと思いますが失礼! 明日からは普通の猫ムスメに戻りますんでよろしくです⭐︎ ※※※
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