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お雛さまのジンクス

「お雛さまを早く片付けないとお嫁に行き遅れる」という説がある。結論からいうと私の場合は当たった、というのも。。

なんとうちは一年中お雛さまを飾りっぱなしだったのである。当時母はPTAの趣味の会みたいな集いで「木目込み人形」を作っており『お雛様(母作)』という「作品」としてずっと飾り続けた。

当然、娘は未だ未婚である。戸籍もシンプルで綺麗なままだ。

もちろん今パートナーもいるし、男性が嫌いなわけでもない。跪いて指輪の箱をパカッっていうのにも憧れないわけでもない。が、現在まで『結婚』という制度にご縁とか機会がなかった。

母に文句を言うと「うちは一人っ子だからどこにもやりたくなかったんだよ~」と言うが、実印を「苗字が変わっても使えるように」と下の名前で作ってくれたので「本当はめんどくさかっただけでしょ~」とも思う。

確かに「早くお嫁にいきなさい」と両親から云われたことは一度もない。二人は駆け落ち同然で、時代的には珍しい完全な恋愛結婚。若かりし頃は父の夢のため、母が経済的に支えていた時代もあったそうだ。

娘から見ても『世間体』より『愛』で添い遂げた夫婦だった。

父がガンを患ったとき『結婚式』もあげてないので、手作りのチュールを「せめてそれっぽい写真だけでも」と母にプレゼントしたこともある。でも二人は「なにをいい歳して~」と顔を見合わせ笑っていた。今思えば「男女の絆とはそういう形式的ものではないよ」ということだったのかな。

写真のお雛さまは、私達の「パートナーシップ8周年記念」の食事の最初の器として登場した。

『つがい』の精神を身をもって教えてくれた両親に感謝し、縁起物の『赤ナマコとこのわた』を頂いた。








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