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【参加レポ】次代を拓く子どもの育て方

有楽町で開催された「朝日チャレンジフォーラム」に参加してきました。小学生の保護者を対象としたイベント。小学生の親として…というよりは教育コンテンツ・サービス開発に携わる者として勉強のため…以下備忘録としてメモを。

「AI時代の新子育て論 〜プログラミング教育の先にあるもの〜」
石角 友愛 さん

「アレクサネイティブ」という言葉がこれから来る
「AIバイリンガル教育」がこれからは重要。
 →AIバイリンガルとは、AI知識を持ちながら専門分野の研究ができる人。
・AIバイリンガルと呼ばれる人の多くは、あとから機械学習を学んでいる
 
(彼らはAIネイティブではない)
・「πマーク教育」にも注目が集まる。「専門分野」「ドメイン業界知識」
 に加えて、「人間性レンズ(哲学・芸術・倫理etc.)」の3つを
 兼ね備えた人材を育てようという試み。
・これからの子どもたちに必要なのは次の3つの力
 ①失敗力…失敗を恐れずチャレンジする力
 ②作る力・書く力・話す力(アウトプット力)
  …自分が社会にとってどんな価値がある人間なのかを伝えられる力
 ③自分を知る力…自主性
・22歳までに学んだ知識でその後の人生を乗り切るのはもはや無理
 →「学び続ける」「親以外の顔を持つ」ことが求められる

石角さん、子育てしながら海外で活躍するTHE・バリキャリな感じでしたが、サバサバハキハキしていて、聞いていて気持ちよかったです。あとアレクサが欲しくなりました。

「多様な子どもの育て方とコンピューター」
落合 陽一 さん

・プレイングマネージャーしか認められない日本社会は問題
「少子高齢化社会において子どもは宝」と言い続けねばならない
 →子どもをえこひいきせねば、人口減少社会に立ち向かえない
   ※急激な人口減少には、インフラが対応できない
・AIのアルゴリズムは日々新しくなるが、必ずしも実用的とは限らない
 →研究論文を通す力学と実用性は異なることに注意
 →確実に使えるエンジンを探すこと・もしくは作ることが重要
・今は限界費用が安い世の中。5G時代になりハードウェアコストは下がる
 →だから好き勝手やろうとする子どもを止めてはならない
 →言い訳せずやり始めるフットワーク&やり抜くことこそ大切
 →親は最低限のリスク管理だけせよ
・これからは「やってはいけないギリギリをうまくやれる人」が活躍する

ご存じ落合さん。初めて生でお話を聞きました。ネットで見る落合節がここでも炸裂。後半で「日本語で考えるけど英語の文法で話してる」と言っていて妙に腑に落ちました。一貫しているのは「テクノロジーで社会課題を変える」という自らに課したミッションだし、彼の子育て論は「親は邪魔するな、見守れ」ということだと思います。

「灘の教育に見る『学ぶ力』の伸ばし方」
和田 孫博 さん

「グローバル力」=未知の課題を克服する力
 ①異文化コミュニケーション力…自分の文化への憧憬+異文化理解
 ②多様な人・協働して課題解決に努力する力

キャリア教育は職業進路教育ではない
 →社会の一員としての市民性を身につける教育であり、ゆえに重要
・灘高顧問・嘉納治五郎先生「自他共栄」=自分の個性を押し付けない

灘の和田校長先生のお話は、私にとっては違和感なくすっと入る内容でした。安心するというか…。あと、嘉納治五郎が灘の顧問とは存じ上げず。たびたび引用された嘉納先生の言葉は含蓄があります。あと、「銀の匙」でお馴染みの橋本武先生についてもっと知りたくなりました。

パネルディスカッション
「AIネイティブ世代の子育てを考える」

登壇者3名+代ゼミの高宮代表ファシリによるディスカッション。発言の主語がありませんが書き連ねます。

1)情報技術の進歩とAIネイティブ世代

・サーチの時代は終わり、AIがレコメンドする時代
 →ゆえに、能動的にどう質問するかが重要になる
 →レコメンド時代は、セレンディピティに期待できなくなる
・AIネイティブの親でないとAIネイティブにならない

2)英語を学ぶ意義と留学時代
・翻訳が進歩しても、英語学習の重要性は当面変わらない
 →スムーズに日英変換できないとコミュニケーションにならない
 →文法・アクセント・スピードはさておき参加するマインド・気骨
  (下手でも・ダサくても喋れるほうが良い)
・英語ができるだけで、アクセスできる情報量が格段に増える
・落合研究室に入れる人の条件(早口で正確に聞き取れず)
 ①自分の価値基準を持っている
 ②自分の才能を自覚できる
 ③ウェルビーイングについてどう社会参画するか考えている
 ④自分の専門性を社会課題の文脈で語れる
 ⑤ハードワークできる

3)次代を拓くために必要な力
・キーワードは「Society5.0」「STEAM」(なのか?)
・STEAMの「A」=「Arts」=人間性、ヒューマニティを指す
・STEAMを教えられる人がなかなかいない
 →とにかく現場に出る、指導できる人を現場で探すべし
・これからは受験ではないパラメーターが重視されるようになる
 →より格差が硬直化するので、保護者の役割が重くなる
現場のプレイヤーが自分の仕事を噛み砕いて見せている場に子を連れよ
 →親はナマで見せるチャンスを大切にすること
・親自身が学び続けること。MOOCなどもある
 →単なる学び直しではない、根本的なアップデートを主体的に行なうこと
・学びへの3つの動機づけ
 ①競争動機
 ②理解動機=わかる喜び
 ③感染動機=あこがれ・目標

…と、パネルディスカッションも盛りだくさんでありました。あと個人的に興味深かったのは、落合さんがレコメンド時代の課題として、「受動的に自分と違う考え方が入ってくる環境が難しくなること」を挙げていたこと。気に入らなければリムって快適なタイムラインを作れるのも良し悪しだと。

まとめるならば

●AI時代がどうなるかはおいておいて、我が子に旅をさせ、親は見守れ
●英語はやっぱり学んだほうが良い(自動翻訳に期待するなと…残念)
●親自身が学び続けよ・そしてその姿を子に見せよ

といったところでしょうかね。うむ。

総じて満足度の高いイベントだったんですけど、最後に一つだけ注文を。「次代」をテーマにして「AIネイティブ」がキーワードの場なのに「PCその他デバイス使用禁止」というアナウンスが…せっかく記録用にPC持ち込んでたんですけど、必死にノート取る羽目になりました。。改善希望。

ともあれ素敵な機会をありがとうございました。

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