枯れてしまうのが悲しくて

私は花が大好きだ。

けれど
自宅に花は飾っていない。

なぜなら
枯れてしまうのが悲しいから。

お家の中の邪気や
悪いものを吸い取ってくれるから
花は枯れてくれるのだと
そんなことも
聞いたことがあるけれど。

それはそれで
申し訳ない気もする。

実家では母が
家じゅうのいたるところに
花を飾る時がある。

玄関には大きなお花たち
キッチン、トイレ、テレビの横
洗面所には
小さな花瓶に小さなお花たち

あの時の花たちが
その鮮やかさを
少しずつ失い
枯れていくのが
悲しくて仕方なかった。

けれど
花が儚く枯れてしまうのは
この星のルールなのだ。

その中にも
美しさがある。

終わってしまうことも
変わってしまうことも
すべて受け入れて
それすらも楽しめる
そんな自分になりたい。