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制作過程6:かせ上げと撚り止め

羊からマフラーになるまでの制作過程 もくじ
1:羊の毛刈り
2:羊毛洗い
3:染め
4:紡ぎの準備
5:糸紡ぎ

6回目の今回は、「かせ上げと撚り止め」です。

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まずはかせ上げ。紡ぎ車のボビンに巻かれた紡がれた糸を「かせ」にします。写真左側にあるのが紡ぎ車から外したボビン、右側にあるのは「揚げ枠」という道具。手前のハンドルを回して、ボビンの糸を大きな枠に巻き取ります。

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枠から外しました。これが「かせ」です。

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捻ってまとめて、しばらくこのまま置いておきます。

この状態では、まだ「糸」としては仕上がっていません。糸にかけた撚りが安定していないので、弛ませると「くるくるっ」って丸まってしまいます。これを安定させるために、「撚り止め」をしますが、かせのまま、しばらく時間をおきます。
ここにも書きましたが、羊毛が糸になったばかりの状態って、なんだかよそよそしい感じがあるのです。一応指図通りに集まったけど、だからなんなの、的な(抽象的すぎるか)。まだ糸としてのやる気(?)がないというか。まぁともかく、時間をおいて、馴染んでもらいます。

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あぁもういいな、馴染んだな、と感じたら撚り止めをします。「かせ」の中心に棒を通して、大きなタンクに入れた熱いお湯の中に、ゆっくり浸していきます。端っこからじわじわとお湯が染み渡っていくように。全体がお湯の中に入ったら、冷めるまで放置します。

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冷めたら脱水して、丁寧に拡げながら太めの棒に掛け直して干します。かせの輪っかの中に、もう1本棒を通して重りにします。糸がたるまないように、かつ伸びすぎないくらいの重さのものを。
この作業は晴れた日にベランダでやると気持ちがいい。糸もおひさまにあたって、うれしそうな気がします。ふとんを干すと、おふとんがふくらんで嬉しそうな、あの感じ。

次は「管巻き」です。

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