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映画感想

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2019年9月の記事一覧

映画「ホット・サマー・ナイツ」

映画「ホット・サマー・ナイツ」

気になっていた洋画。A24作品とは知らなかった。

宣伝文句は「忘れられない夏がくる」。主人公カップルのアップがビジュアルで、てっきりラブロマンスかと思いきや(たぶんそう売りたかったんだね)、思いの外、ドラッグ売買が話の中心モチーフにあるハードな側面もある映画だった。

小さめなアメリカ映画の「イマドキ」だと僕が勝手に思う、クローズアップ多目、カット短めテンポ早め、カメラ目線カット多目の感じは嫌い

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映画「工作 黒金星と呼ばれた男」

映画「工作 黒金星と呼ばれた男」

観た人からは絶賛しか聞かなかった韓国映画。噂に違わぬ作品だった。

90年代に北朝鮮に核軍事情報を探るスパイとして送り込まれた工作員のサスペンスだが、頭からラストまでここまで緊張感の途切れないのは凄まじい。史実に基づいた題材、未だ緊張感の続く現実背景、優れた脚本と演出、キャストや技術美術に支えられた傑作。

幸せなことに、ひとまず言ってみるけれど、今の日本にはここまで緊張感のある政治や社会状況を国

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映画「狼煙が呼ぶ」

映画「狼煙が呼ぶ」

「青い春」「アンチェイン」「ポルノスター」の豊田利晃監督の最新短編。

20分弱だけどネットではなく、1900円のチケットで映画館でというのは珍しいし、スクリーンで観るべきものだという気もして劇場へ。でも残念ながら期待したものと違う中身だった。

侍と拳銃、かつ銃刀法違反で逮捕された監督自身の経験がベースにあるというけれど、僕にはよくその意図と中身がわからなかった。

ヒリヒリするような青春を、目

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映画「アス」

映画「アス」

コンスタントに年間100本以上は映画を観ている若い友人が、「アス」が見たい見たいと言っていて、ふむそんな映画があるのかと思い気にしていたらあれよという間に公開されたので行ってきた。

ちなみにその友人は「観た。途中から爆笑だったし、最高だった」と言っていたし、また別の知り合いは「今年ナンバーワンでサントラも買った」と言っていたし、別の友人は「あんなクソつまんない映画のどこがいいんだお前らは」と言っ

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映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

タランティーノ最後の作品?と言われている最新作。

映画好きの間では熱狂的に、熱烈にこの作品を愛している様が漏れ聞こえてくる。タランティーノの映画愛に胸を打たれているようだ。その様がまた、その横にいる者の胸を打つ。何かを熱烈に、異様に好きな人のことを、普通は人は好きなものだ。大して音楽が好きでもないが友達に誘われて、もしくはノリで夏フェスに行った時、自分が熱烈に好きなバンドもアーティストもいないの

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映画「スタートアップ・ガールズ」

映画「スタートアップ・ガールズ」

上白石萌音と山崎紘菜の出演している新作映画。

スタートアップがそもそもわからない、なんとなくしかわからない。のだが観てみた。平日の昼間の日比谷の劇場はなぜかソロのシニア男性が多い。なぜだ。彼女たちのファンなのか。スタートアップする年ではない。なぜだ。まぁいい。

冒頭、上白石萌音がやってきて初めて二人が会うシーンの設定がわからない(そもそもセリフがよく聞こえない)のでつまづいたが、いざ物語が始め

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映画「記憶にございません!」

映画「記憶にございません!」

三谷幸喜の新作映画を観た。

三谷幸喜のドラマが好きだが映画は好きではない、敢えて言えば「ラヂオの時間」だけ好きだという人にこれまで何人にもあったし、私もその一人だ。けれどもこの新作は好きだった。なんでか。実はよくわからない。

中井貴一が良かったからに1票。中井貴一から目が離せないに1票。中井貴一がいい具合にギトギトしているに1票。中井貴一をずっと観ていたいに1票。

映画は主役のものだし、スタ

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