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映画「アス」

コンスタントに年間100本以上は映画を観ている若い友人が、「アス」が見たい見たいと言っていて、ふむそんな映画があるのかと思い気にしていたらあれよという間に公開されたので行ってきた。

ちなみにその友人は「観た。途中から爆笑だったし、最高だった」と言っていたし、また別の知り合いは「今年ナンバーワンでサントラも買った」と言っていたし、別の友人は「あんなクソつまんない映画のどこがいいんだお前らは」と言っている。そういう映画はいい映画。

本作は「ゲット・アウト」のジョーダン・ピール監督の最新作。監督はコメディアンでもあるみたい。僕は「ゲット・アウト」は観ていない。

以下、ネタバレを含みます。

幼い頃にとある海岸沿いの遊園地で行方不明になった経験を持つ主人公の女性が、やがて結婚し、二人の子供を持つ母親になった時、因縁のその土地を再び家族で訪れることになるという導入部分。

お決まりのとおり、「その土地は不吉だ」「私は行きたくない」という主人公に対し、夫は「いいじゃないか」「大丈夫」だという展開となり、その土地に乗り込むわけですが、そこで次々に不吉なことが起こり…。

大きな転換が起こるのは、彼らの泊まる家の外に夜中、赤いツナギに全身を包んだ4人組が現れるシーンから。物語の序盤ですが、以後は怒涛の展開です。

個人的にこの映画が非常に新しいのは、この不気味な4人組が「妄想や幻影の類ではない」という設定でした。普通に観れば、幼い頃に不思議な体験をした主人公が妄想に、トラウマに、恐怖に取り憑かれて一人その恐ろしさと戦っていくのがお約束のはず。あったとして、その家族が彼女のその恐怖を徐々に共有し、巻き込まれていくが、彼ら以外の世界は至って平和のまま…。果たして主人公は、家族はこの恐怖から逃れられるのか…?となるはずなのに!

主人公たち家族が仲の良い別の家族の泊まる別荘に助けを求めにいくシーンが次の転換点。ここでもう一度、世界がひっくり返る。

いやぁ…ネタバレを少しさせたとは言え、これ以上書くのははばかられる。僕は冒頭の友人のように爆笑は出来なかった。かといって震え上がるというのも違う。世界の不気味さを、どこか生々しく体験する映画だと思いました。「ファニーゲーム」を観た時と感覚が似ているのかな…。違うけど、敢えて近いものを挙げるとすると、そうなのかもしれない。また観たいな!











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