髭と化粧(何気ない日常キリトリ)
朝起きて、髭を剃るのがめんどくさい。
でも、生やしっぱなしじゃ、みっともない。
ふと見ると、
妻さんが、化粧をしている。
どんどん可愛くなっていく顔へ、鏡越しに呟いてみる。
「化粧って、いいよね。プラスだもん。髭を剃るのはマイナスだもん。無くすことで見映えがよくなるって、なんかやなんだよね」
妻さん、まつげをビューラーでクイッと上げながら口を尖らせる。
「いやいや、旦那さんよ。化粧の方こそめんどくさいですよ。わざわざプラスしなきゃなんないわけだよ。たくさん付け加えて見れるようになるのですよ。マイナスした方がいいあなたが私は羨ましいですよ」
なるほど、そうそう考え方もあるかと納得。
でも何か腑に落ちない。
髭を剃ったところで、そこにある顔以上にはならないよな。
化粧は変化を付けられる。
気分によって楽しむこともできる。
なんか羨ましい。
なので、ちょっと聞いてみる。
「僕ときみ、顔を交換できたら嬉しい?」
妻さん即答。
「やだ」
でしょうね……
きっと、そういうことじゃないんだよね。笑
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