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なぜかクレームになる担当者がやっている5つのこと

どんな業種であっても、顧客からのクレームというものはあると思う。
対面や電話ですぐ謝罪すれば場が収まるようなケースから、巨大プロジェクトの存続が危うくなって役員が菓子折りを持って謝罪に行くようなレベルまで、さまざまだ。

僕はブックマーケティングの編集者をずっとやっていて、部下の案件も含めて数百の経営者の書籍を作る現場に立ち会ってきた。トラブルシューティングに動いたことも多い。
今回の記事ではその経験から、クレームが起きる背景にどういう顧客心理が働いているのか、担当者の注意でクレームを避けられることはないのかを読み解いていこうと思う。
BtoBかつプロジェクト単位のサービスという領域に限られる話かもしれないけれど、一つの参考になれば幸いだ。

①スケジュールを提示していない

だいたいのクライアントは、その商材の領域において発注慣れをしていない。
つまり、プロジェクトの進行については”まったくわからない”状態であることがほとんどだ。

誰でも初めて何かに取り組むときは不安になる。このあとは何をしなければいけないのか?予定の納期には間に合いそうなのか、そうではないのか?そもそも発注先のこの人はきちんと仕事をやってくれているのか?
そうした不安は、自分の会社の案件を何度もやったことがある担当者には意外と見落とされがちだ。そして、不安が不満になって蓄積し、クレームが発生する。

一つの解決策としては、スケジュールを明文化してクライアントにきちんと提示することだと思う。
なにを当たり前のことを、と思われるかもしれないけれど、これが意外にちゃんとできていない方が多い。口頭ではなくても必ず文面に残して(あとでクライアントが気になったときに見返せる)、また、要所要所でメールなどでスケジュールを再掲してあげるとより親切だ。何か進捗があるたびに簡単に次の工程を一言、再説明していればパーフェクトに近い。

「一回説明したから大丈夫だろう」は甘い。相手にとって初めての仕事なのだから、説明は何度してもしすぎることはない。

②レスポンスが遅い

現代は即レスが当たり前という風潮もかなり強くなっており、レスが遅いとかなり不安を持たれる。
よくいるのが、「相手からボールを受けたあと、社内で動いている期間は返信がない」方だ。何日か経って進捗があると初めて返事が返ってくる。社内調整に手間のかかる大企業により多いタイプな気がする。
これは本当に良くないパターンだ。相手からすると音信不通になったようにしか感じず、かなり不安になる。テキストコミュニケーションは返事をしていない間は無視しているのと一緒、と心得たい。

社内調整にどれくらい時間がかかるかわからなくて、見通しを伝えたくない気持ちはわかる。結果的に嘘になるかもしれないコミットをしたくないのは、当然の人間心理だ。
ただ最低限、「承知しました。次は〜の動きをします。〜くらいの期間でまた連絡できると思いますが、もし延びるようならそのタイミングでまた報告します」ぐらいは伝えておきたい。

③”意図”の説明が足りていない

クライアントに成果物を提出する際、どこにどういう意図が込められているのか説明しないのも、相手にとってストレスになる。
商材のモノにもよるだろうけれど、素人であるクライアントにとって成果物の良し悪しはわからない。プロが出してきたものに素人意見であれこれ言っちゃって大丈夫なの?くらいに思われる。
どんな効果を狙ってどう工夫した成果物なのか?そういう判断基準になる情報なしに「どうですか」と聞かれたってコメントのしようがない!と、仕事のできるクライアントにほどそう思われる。そして怒られる。

面倒でもプレゼンテーションはきちんとやるのが鉄則だ。そこでうまく言語化できないのなら、成果物に対する自分自身の理解がまだ浅いことに気づくチャンスでもある。

④プロとして自分の言葉で述べられていない

プロジェクトの期間中、あらゆる場面でクライアントから、プロとしての見解を求められるだろう。
僕もたまに「どんな本なら売れるんですか?」などエッセンシャルすぎる質問をぶつけられて答え方に迷うときがある。

そういう際に気をつけたいのは、正しいのかはともかく必ず自分なりの持論を伝えることだ。そうでないと、クライアントに「この人、何もわかっていないんじゃないか?」「何か隠し事をしているんじゃないか?」「自分を騙そうとしているんじゃないか?」といった不安を持たせることになり、そういうシチュエーションが積み重なるとクレームになる。

もちろん、会社の方針がトップダウン型でうかつに担当者個人の見解を話せない、という場合もあるとは思う。
それでも、「私個人の意見にはなりますが」と断ったうえで、クライアントからの質問についてはプロとしての見解をしっかり述べるよう意識しよう。
別に相手だって最終的な判断の責任を持つのが自分だってことぐらい理解している。ただ、プロの知識を借りて正しく判断するための情報が欲しいのだ。

⑤イラっとしたとき態度に出ている

クライアントに対してイラっとした態度をとるなんてありえない、と思う方もいるかもしれないが、見ていると一定数こういう方はいる。
本人は気づいていないが、自分にとって都合の悪いことを言われると「不服そうな感じ」が出てしまうのだ。
これは致命的だ。かなり相手の神経を逆撫でする。態度ひとつで逆上される現場も実際に見てきた。

また、「半笑いで返答する」のも絶対に避けたい。
十中八九、「バカにしているのか?」と思われる。
こうした振る舞いの幼稚さは自分自身で矯正するのが難しく、若手時代にハッキリ言ってくれる上司に直してもらわないと中年になっても変わらない。
厳しい上司に出会えなかったら、恋愛なり家族関係なりの濃い人間関係の積み重ねによって改善していくしかないかもしれない。

まとめ

世の中とんでもないクレーマーもいるにはいる。ただし特にBtoBの場合はお互い仕事でプロジェクトをやっており、クレームの多くはなんらかの理屈の積み重ねによって起きる。確固たる理論に基づいて仕事をしていれば避けられるケースは多いと思う。

クレーム対応は大変だ。業務の優先度の変更を余儀なくされるし、何より精神的にかなりズンと来る。
クライアントの心情に対する想像力をもち、可能な限りクレームゼロで仕事を進めていけるようでありたい。

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