2018年 36冊目『検証・学歴の効用』
濱中淳子先生の本です。
面白かったです。
いわゆる、一般に言われている「大卒は意味がない」をデータで反証していました。
ドッグイヤーをつけたポイントを書いておきます。
・大卒の効用は増大している
→学歴別生涯賃金の学歴差は増大
大卒人材と高卒人材は「別のタイプ」→大卒はスーパー高卒ではない
・労働経験によって大きな所得向上が見られる。
→成長に結びつけているのは「大卒」
・大卒は自己学習によって成長
・高卒は周囲の助けによって成長
経済学における2つの理論
・人的資本理論:Becker
教育は人的資本(知識、技能)を高める
→高学歴者は高い社会経済的地位を得る
・シグナリング理論:Spence
高学歴者=入学選抜試験を潜り抜けた優秀な人材
学び習慣仮説
・人的資本理論をベースに、時間軸の要素を加味
→同じ大学卒業生も比較可能
→大学卒業時の知識能力→現在の知識能力→所得
※総効果(卒業時知識+現在の知識)
45歳未満では 工学系>経済学系
45歳以上では 工学系<経済学系
経済学系では、学生時代の学習<体育会系・サークル活動
大学時代の過ごし方が、所得を左右する
大学時代の読書と所得
・+純文学、歴史小説・ノンフィクション・ドキュメンタリー、専門書
・-漫画、趣味娯楽書
→大学時代の読書→現在の読書→所得
非正規社員
・労働年数は所得増加に効果がない
女子にとっての大学進学はオールマイティー
・所得は多い
・非正規でも他学歴より所得が多い
・結婚時も相手の所得が多い
日本の大学進学率はOECDの中で下位
▼前回のブックレビューです。
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