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2019年 75冊目『エンデの遺言』


お金のことを知りたいと思っていて、失念したのですが、どなかたに紹介してもらいました。

目からうろこの本でした。

全てのモノやサービスは時間の経過とともに減価します。

一般的には住宅や家も時間が経つと安くなります。

生ものであれば尚更です。

ところが、お金だけは違うのです。

時間の経過とともに利子が貰えるのです。

つまり増価するのです。

本来お金は財やサービスどおしの交換を潤滑に行うために発明された側面があります。

これにより、取引が活発化できたわけです。

ところが、保管ができる。

ここまでは良いのですが、そこに利子が付く。

当り前だと思っていたのですが、これにより本来、お金と財やサービスは等価だったはずが、時間の経過とともに差が出てくるのです。

つまり、お金の方が財やサービスよりも強いのです。

しかも、現在世界を動いている、実取引の何十倍もお金だけの取引がされているのです。

強いもの(お金)が圧倒的な量を動き回っているのです。

実経済、それも規模の小さい国や個人が翻弄されるのは当たり前です。

納得感が高いです。

ではどうすれば良いのか?

絶対にできるという回答はありません。

しかし、減価する地域通貨にその可能性がありそうだとあります。

毎週、少しずつ減価する地域貨幣を流通させている地域があります。

1万円の価値がある紙幣に1週間たつと10円ずつ減価させるのです。

具体的には、1週間が経つと10円のシールを購入して裏に貼るのです。

そのシールが貼られていない地域通貨は、使えないのです。

当然ですが、早めに使おうというインセンティブが働きます。

お金は貯められずに動き出すのです。

さらに、自分のできることを地域通貨発行所が安価でPRしてくれるようなメディアを発行します。

そこで新たな雇用や財とサービスの交換が地域通貨を通じて生まれます。

新たな消費が生まれるのです。

ヨーロッパやアメリカでは、これをきっかけに町が復活した例も複数あるようです。

※中央銀行が規制をして、数年で止めた例もあるようです。

お金に利子があるのは当たり前。

でも、それが悪循環のきっかけの1つになっていると気づかれる本です。

そして、地域通貨+減価+新サービスのPRメディアが具体的な現実解の1つであること。

などが学べる本です。

わたしにとっては、目からうろこの本でした。

お薦めです。

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