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2017年 18冊目『2030年超高齢未来 破綻を防ぐ10のプラン』

何をすべきかざっくり全体像を掴むには良い本ですね。
以下概要です。

序章:日本の未来を明るくするために 

2030年度ひとつのターゲットとして、
 何をしていけばよいのか、
 何をしなければいけないのか
 どのようなイノベーションが必要なのか
 関連分野ごとに時間軸に沿って提示します

1章:超高齢社会を迎える日本の状況

 高齢者の高齢化が進むのが、日本の高齢化の問題
 2012年から毎年高齢者が100万人増えていく
 限界集落(高齢者が50%以上)が増えていく
 2005年に出生者数が死亡数を下回った
 2010年労働力人口6640万人→30年5598万人 ▲1000万人
 
元気な高齢者
  65~74歳で介護が必要な割合は5%
  75~84歳でも20%
 高齢者の8割は、定年後も何らかの形で働きたい

2章:超高齢社会にふさわしい社会保障制度とは

 社会保障:社会保険、公的扶助、公衆衛生、医療・老人保健、社会福祉など多岐にわたる
 意欲があれば働ける社会を作る(高齢者、若者、女性)
 高齢者の能力を社会に還元する仕組み
 保育や育児に高齢者の力を借りる
 消費税は景気に左右されにくい安定財源
 →商品税が高い北欧の方が経済成長率は高い→消費税を上げても景気は悪くならない

3章:2030年に向けたロードマップの提言

 「安心で活力ある豊かな長寿社会」を目指す
ロードマップのための3つの目標

1:人生100年時代にふさわしい「真に長寿を喜べる生き方」の実現を目指して
1)生きがいの就労のロードマップ 
 「生きる目的があること」「QOLを維持できること」が必要
 
①生きがい就労事業の開発
  =無理なく楽しく働けて、かつ地域に貢献できる、高齢者にふさわしい働き方
②高齢者にやさしい就労スタイルの確立および普及
  →無理ない就労スタイル やさしい軽老技術、ICT機器の開発
 
③円滑なリタイアと、高齢者の能力と就労のマッチングを支援するシステムの確立及び普及
→いつまでも活躍し続けられる情報提供
 高齢者の能力を的確に、科学的に評価できるツール
 
④高齢者の知識、経験、スキル循環型システムの創造
  →シルバー人材センターや人材派遣会社がキャリア・スキルを把握している→地域と共有
 
⑤交流、ふれあい、学び、遊び、食、美などの新市場の形成
  →高齢者のEnjoy・快・楽ニーズの研究と商品開発

2)ライフデザインのロードマップ
 ①人生100年時代のライフデザイン・ロールモデルの確立と人生教育産業の創造
  若い時からライフデザインを描く=人生教育産業
 ②国民のQOL・地域の豊かさQOCを重視した社会政策の推進
  QOL(幸福度と言い換えても良い)やQOCの評価方法の策定・深化
 ③エイジフリー社会化および高齢者が地域社会を支えるイデオロギーと制度の確立 
  年齢基準の世の中でなくなることが必要

2:安心で活力のある超高齢社会想像の鍵を握るAging in Placeの実現に向けて

Aging in Place:住み慣れた地域・自宅で最後まで自分らしく老いることができる社会

3)住まい・住環境のロードマップ
 地域マスタープランの策定について
  いつまでも在宅、住み替えの自由もある中で、安心して住み続けられる
  施設と仕組みが整っている
  →医療関連、住宅関連、福祉関連、土地関連、健康関連、社会参加関連 
  などの連携が必要
 
①高齢者住宅、高齢者施設の充足
  →地域再編の対応した住宅、医療、介護、生きがい施設の整備と連携

②在宅のまま地域に住み続けることを可能とする住宅の質的な向上
  →リフォーム市場、中古市場の進展

③緑豊かで、歩きたくなる、誇りに思える住環境の整備
  →高齢者を含む多世代が交流している

4)移動、交通システムのロードマップ
 PMを適用した交通ネットワークについて
  PM:Personal Mobility(小型の移動用車両)
歩行代替のPM1:時速6㎞、
自転車代替のPM2:時速10-20㎞、
自動車代替のPM3:時速30kmを準備
シェアリングする
 
PMの開発・運用について
PMの連結運用、自動運転、PM搭載による中距離移動
PM運用を支える社会インフラの整備
道交法の整備、専用レーンの整備、充電設備の整備

都市計画との連動
PMをうまく取り込んだ都市計画
物の移動について
物流ロボットによる個別配送+高齢者の積極的な外出を促すぽーたロボットの普及

5)情報通信技術(ICT)のロードマップ
 ①情報ユーティリティサービスの普及
スマホで実現(2010年だったので個人向け情報ユーティリティサービスと表記)
 
 ②高齢者の生活に役立つICT技術開発
   インターフェイスの進化
 
 ③ICTサポーターの育成・組織化(互助の仕組み)
   サポータの仕組み整備
 
 ④公共アンビエント端末の整備:普及促進制度の創設
   公共端末の整備(スマホの進展をイメージできていなかったのでしょうね)

6)生活支援のロードマップ
 ①高齢者の自立支援
 ・高齢者に対する生活機能サービスの社会化
   生活サービスと高齢者をつなぐコーディネータの整備
 ・ICTによるコーディネート化
   コーディネータと高齢者の情報交換の支援
 ・元気高齢者のコーディネート化
   シニアリビングサポータ(仮称)の整備
 ②社会的孤立者への対応
   人との交流が減ると、健康を害しやすくなる

7)食生活のロードマップ
 ①食事の調達の用意
   自分で調達、用意できる(自分で買い物、買い物代行、配達、配食)
   →自立と適度なサポート
 
 ②高齢者の健康に役立つ栄養改善プログラムの確立と普及の実現
   →日本の輸出産業として成長する可能性
 
 ③食生活を楽しめる環境づくりの実現
   高齢者を意識した交流の場

3:健康寿命の推進と真の安心を提供する新在宅ケアシステムの構築に向けて

8)介護予防のロードマップ
   安易に病院に入らない、できる限り介護が必要な状態にならない 
  →QOL+社会保障費抑制
   ロコモティブシンドローム:運動機能が衰え、自由度が低下し、
   介護が必要になる

9)医療・介護連携のロードマップ
   医療、看護、介護の一元連携システムが必要
   配食事業、見守り、在宅医療機器などの周辺サービス拡充、住宅計、情報インフラ整備なども必要

10)医療・介護のICT機器開発のロードマップ
 医療・介護ICTについて→新在宅ケアシステム
 ①医療ICT:病院内部、病院間、在宅医療を共有
 ②介護ICT:介護事業者が共有化
 ③個人ICT:個人の健康をセンシングし、情報管理。バイタルセンシングなど
 ④相互連携ICT:上記を共有する
 医療・介護機器開発:機器開発の支援と研究開発環境の整備
・ロードマップのおわりに
 国に対する提言:社会全体を再構築する大きな対策が必要
 産業界に対する提言:課題解決の重たる担い手になってほしい
 大学および研究機関にに対する提言:大学の知を社会に還元し、協働する取り組みが重要
 国民に対する提言:意識改革と行動変容が必要

4章:超高齢社会に向けた具体的な取り組みについて
・柏市豊四季台地域:1964年に建てられた古い団地
  地域包括ケア、生きがい就労モデル開発(農業、子育て支援、介護)、住環境・移動手段の改善
・柏の葉キャンパス地域
  スマートシティ:環境共生都市、多世代交流健康長寿都市、産学連携新産業振興都市
・東急電鉄:次世代郊外まちづくり構想
  横浜市、東急電鉄のリーダシップで地域住民、大学と協働し、持続可能な郊外型住宅地モデルの構築
・UR都市再生機構の団地再開発の取り組み
  建替え時にサービス付高齢者住宅
・福井県坂井・あわら地区
  在宅医療・ケアの推進活動
・被災地のコミュニティケア型仮設住宅
  遠野市、釜石市
・福島県上勝町
  人口1900名の過疎の町。葉っぱビジネス
・大和ハウス
  明日の社会に不可欠なこと:アスフカケツノ
・LIXIL
  次世代スマートハウス:GURU GURU

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