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常識を手放したのに、その先でまた常識を選ぶ必要なんてなくない?

これだけ自由な働き方が提唱され始めた中でも、フリーランスという働き方や、独立・開業という行為はまだまだ一般的ではないように感じます。


相も変わらず多くの会社で新卒一括採用は続いているし、「会社辞めたい」とか「もっとスキルアップしたい」「所得を上げたい」という悩みの中での選択肢として思い浮かぶ行動は、転職活動が真っ先にくる人がまだまだ多いですもんね。


note愛用者は、フリーランスや複業という考え方はさほど珍しいものではないと感じる方が多いかもしれません。フリーランスとして活動しているクリエイター、多いからね。それでもまだまだ、私が住んでいる大東京ですら会社員で働くという人生の選択肢を取る方がほとんどです。どんなに優秀な人でも、です。


働き方というものは、その人自身が幸せになるために自らで選択するべきものだと思うので、私は会社員がいいかとか個人で働くのがいいか、とか、どっちが良いという考え方は特にありません。

しかし、働き方の”選択肢”として、「自分の仕事を自分でつくっていく」ということが転職と同レベルで入ってくることは、もう少し先の未来なのかなあと思います。それはちょっと淋しいことかな、とは思ってます。


だけど、そんな「常識的じゃない”選択肢”」をせっかく選んだフリーランスの人たちの多くが、また「常識」を選んでしまっている気がしているのです。

今日は、そんなことについて書いていこうと思っています。



社会の「常識」に耐えられず、フリーランスになった私たち。


私は今年、ひとつ歳の離れたパートナーと入籍をするのですが、お互いが個人事業主として働いています。夫婦がふたりともフリーランスというのは、少しめずらしい生き方かもしれません。


私たちはふたりとも、一般社会で求められる「常識」が大嫌いで、その「常識」にだいぶ苦しめられてきました。

私はというと、真っ黒なスーツを着る就職という活動を身体が受け付けられなくて、大学4年生の半年間、引きこもりを経験。社会に入ってからは、誰かに書面や口頭で「お伺い」を立てないと何もできない立場に耐えられず、見事ドロップアウト。

一方彼は、会社のタイムカードを押すということが、かなりの苦痛だったそうです。自分の時間の使い方を、誰かに管理されている感覚が耐えられなかったとのこと。


遅かれ早かれ、なるべくしてフリーランスになったふたり。私たちは社会の「常識」から逃れようとして、会社員という働き方を手放しました。



”先輩たち”がご丁寧に教えてくれる常識

なのに、私たちはフリーランスになってからも、「常識」に激突します。


ココで実績を作るといいよ。
一人前になるのは○年目くらいだ。
単価はこれくらい。
集客サイトを使うべき。
この本は読んどけ。


彼と私は、職人と対人支援者という全く別の業界ではありますが、この辺は意外と同じような構造になっていることに気がつきました。


業界の先人たちの書き込み・情報をもとに、彼も私も、最初は業界の平均単価でビジネスを始めようとしたり、お客さんを集めるために広告や集客サイトのことを調べたりしていた時期があります。

彼に至っては、詐欺レベルの手数料の仕事紹介サイトに引っ掛かりそうになったこともありました。(結果的にクーリングオフをしましたが!)


色んな”べき”から逃げてきた私たちは、また新しい”べき”にハマってしまったのです。

フリーランスの先輩たちが作ってきた、「べき」に。



業界の常識や相場を、疑ったら見えてきたこと


私も例にもれず、業界の常識や風習に合わせてしまうところでした。

常識から外れてフリーランスになると決意したのに、外れた先で、また律儀に新しい常識を守ろうとしてしまったのです。


しかし、一歩引いて考えてみれば、業界の常識や相場は、別の一方から見ると不思議なものだったりします。私はこの「違和感」にいち早く気づけたことについて、自分にはなまるをあげています。



一番大きかったのは、商品の単価の考え方。

私は、キャリアコンサルタントとしてフリーランスになることを決めて今年から活動を始めました。


この業界では、「1セッションあたり1時間1万円弱で売る」というのが、売り方や料金の相場。

1時間1万円と聞くと、なんだかすごく割のいいビジネスだと感じます。会社員時代、年齢にしてはそこそこ?稼いでいた私でさえ時給単価は2,500円ちょい。およそ4倍です。


だからこそ私もこの、常識(というか相場)に乗っ取ってビジネスを始めようとしました。しかし、この計算、よくよく考えてみれば、月に数十人規模の集客をしないと生計が成り立ちません。


マーケティングを学んできた身からすると、個人が行う集客ってものすごい×100大変で、広告にお金をかけずに毎月数十人レベルの人に見つけてもらう、そして購入してもらうのはとんでもなく難しいことなんですよね。いや、個人に限らず企業もです。だから広告ってものが存在するわけで。


これじゃあ、新しく対人支援業としてビジネスを始めたい人が”稼げない”と思ってしまうも当然。。。


少し前に、「キャリコンは稼げない」の是非について、界隈の中で話題になっていた時期がありましたが、新規参入者が”稼げないモデル”を作ってしまったのは、業界そのものなのかもしれません。


私は、当初からこのビジネスのモデル(売り方)になんとなく違和感を持っていました。

なぜ、こんなにレベルの高い「対話」というものを提供しているのに、たいして稼げないモデルになっているのか。キャリコンなんて、国家資格なのにも関わらず、です。



そんなときに突破口になったのが、前職での経験でした。

私の前職は、パーソナルトレーナーさんやヨガトレーナーさんたちのビジネス支援。

レッスンの単発売りをしている人は集客にずっと困っていて、数か月単位の継続パッケージを売っている人は、集客にあまり困らず、年単位での売上も安定していたのです。



「ああ、これだ!一緒のこと起きてるじゃん!」と思いました。



そうか、対人支援にだって
数か月の継続支援という選択肢が
あっても良いじゃないか。

そもそも人生の悩みなんて、
体の不調を治したり痩せることと同じで、
1回1時間ぽっきりで解決するの超難しいやんけ!?



といいつつも、これってどう受け入れられるのかな。と不安になった私は、私と同じ考え方を持つ人を探しました。

私と同じく、この業界の構造にピンときていない人が、数人いたのです。


常識から外れた上で、更に常識から外れてる人がいたことに、私は安堵し、感謝しました。


まだまだ私も、一人きりで常識から外れる勇気はなかったのでした。

先に常識を疑ってくれた人たちが、私を助けてくれたのです。



常識を手放した先で、また常識を選ぶ必要はない


フリーランスや独立・起業・開業をした方の多くは、会社員としての限界を感じたり、何かに縛られたくないと思ってこの道を選択した人がほとんどだと思います。

たしかにフリーランスになると、時間や場所にとらわれない働き方が出来て、今までの働き方でたくさん我慢してきたことが解消されるかもしれません。会社からイヤな顧客をアサインされることもなくなるでしょう。


それらが解消されるだけで十分幸せではあるかもしれません。が、”先輩たち”が丁寧に作ってきてくれたフリーランスとしての働き方が、自分に合わないことだってあります。


例えばライター業界では「文字単価2円」という、ボーダーがあると読んだことがあります。これも対人支援業の、「1回1時間1万円」というものに近いんだろうなと。


でも、この単価、この売り方では稼げない!と本能的に感じたのなら、他の方法を生み出してもいいんじゃないかと思うんです。


ライターなら、文字単価ではなく、案件単位での報酬という考え方もあるかもしれません。成果報酬という考え方もあるかもしれません。年間契約という考え方だってあるかもしれません。



職人業をしている私のパートナーも、ほぼ未経験からの独立2年目という中で、業界の平均単価を大きく上回る単価設定をすることができました。

彼は会社員時代に現場監督の経験があるため、自身を「技術だけではない職人」という立ち位置としてブランディングして、高単価の案件をもらっています。

逆に、若手だからといって足元を見るような仕事は、ガンガン断っているそうです。


私は物書きの業界も電気工事の業界もあまり詳しくないのですが、きっと、どんな業界でも、他の業界のビジネスモデルに突破口があるはずなんです。

優良他社(他者)を分析するという意味で「ベンチマーク」という言葉がありますが、ベンチマークはなにも同じ業界で探す必要はありません。

日常の中や、これまで経験してきたこと、友達の仕事の話、自分が受けているサービスに色んなヒントが隠されています。


といいつつも、自分が業界に新しいビジネスモデルを持ち込む第一人者!というケースは意外に少なく、すでに常識から外れた先で、常識から外れている人が先にいたりします。

そういった「はぐれ者の先人」は、その道を選ぶ勇気をあなたに運んでくれます。意外にも、稼ぎたいと願う人の味方になってくれるのです。



今のところ私は、この道を選んで正解だったと思っています。

自分を、「自分の尺度の時価総額」で売り出すことが出来るのは本当に幸せなことです。



「会社員として働く」という常識を手放した先で、また常識を選ぶ必要はありません。どうせ私たちは、はぐれメタルなのです。


はぐれ者として、誰かの役に立って、誰かのことを幸せにして、自分のことも幸せにできるようになってください。一緒に、なりましょう。



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《中野あすかとは》
月曜日が辛くない生き方を一緒に作る28歳のコーチ。
仕事が大好きすぎて頑張ってきたけど組織活動が苦手で社会不適合が大加速。大絶望の末に「対話」に出会い、裸足のままフリーランスになる。
「勇気づけの対話」を常に考えています。
文章を書くこと、本を読むこと、音楽を聴くことが好き。岡村靖幸ファン。
成功よりも幸せを優先できるようになった人🐧

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