灯篭流しの村 ~8月15日~①
お盆休みはもうあと2日を切っていた。クライマックスへと差し掛かっているのだ。
特に面白みのない夜は明日への期待と不安とその後の哀しみで埋め尽くされていた。明日を思うと明日の夜のことまで考えてしまう。
もう一度夜が明ければ、私は。
星空に手をかざすと、少し星が透けて見えたような気がした。それは終わりの始まりの合図で、その星を見てはまた胸が痛む。
蛙の声は息継ぎ一つなく続いている。いや、彼らは息を吸って吐いて、生きている。
私は湿度の高い空気を吸った。でも暑くない。
一人屋根に座