お手紙

隣の家の君へ。
自分には好きな人が出来ました。
これが本当に恋というのか定かじゃないです。でもその子が好きなことは本当なんです。
その子はとても優しくて、とても一緒にいて楽しいんです。いつも一緒にいたいと思わせてくれます。
でもその子のこと、好きって言っていいんでしょうか?
自分は独占欲が強いです。束縛もしてしまうかもしれないんです。
最悪ですよね。知ってます。
その子はそれでもいいと言っています。
でもそれは恋人としてではなく、友達としてなのでしょう?
ごめんなさい。自分なんかが。

窓からその子が見えないか、こっちを見てはくれないか、いつも気にしています。
授業中自分のことを考えてくれはしないか。
今すぐにでも抱きしめてはくれないか。

馬鹿げているのは重々承知です。
何故か嫉妬していて、自分だけ見て欲しくて、その冷たい手を握っていたいのです。

あの時その子は自分に告白をしてくれました。
今更です。でもどうしたらいいのでしょう?
その子を思うと今すぐにでも会いたくて、声が聴きたくなります。
いつでもその子を求めてしまう。
自分はその子になんと言えばいいのでしょう?
「あなたが好きになりました」
と、言えばいいのですか?

その子が一緒に見たいと言ってくれた星が見えます。隣には月が浮かんでいます。
いつか行こうと言ったプラネタリウムは、いつ行きますか?
いつでも待っています。
でも行けないのかもしれないです。
その時自分たちはバラバラになっているかもしれないです。

その子が好きです。
貴方が好きです。

これは、最初で最後の、貴方への恋文です。

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