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Lyrics #64 幸せのベンチ

少子高齢化、人口減少の波は続き、いまや地方に限らず、都市近郊の町でもその流れは止まりそうもない。

都内においても、全体して人口の減少はみられないものの、昭和30年代から平成初期くらいまで、どんどん拡大し隆盛をみた頃の、ミッドタウンの商店街や、工業地帯の周辺地域などでは、今や居住人口も大きく減らして廃れてしまったところも少なくない。
また、都会や地方に関わらず、人口拡大期に造成、建築された郊外の大規模団地やその周辺地域ともなると、もう何年も前から衰退し、再開発のめどさえ立たないところが多い。

日本中どこでも目にするそんな光景、そんな時流の中で、古い商店街や住宅地のみならず、学校や公園なども廃校、廃止となって、リニューアルもされず、そこかしこで寂しい風景が散見されるようになってしまった。

いろんな場所、建物にも、特別な記憶や、思い出も残す人がいる。

団地へ続く坂道だって、ある人にとっては忘れられない初恋の場所だったかもしれない。
公園の木、遊具、電話ボックス・・・、いろんな思い出が、たくさんの人にあるはずだ。

今日は、そんな時代背景も刻んで、無くなってしまう思い出のベンチにスポットライトをあてて書いてみた作品です。

僕も数年前、ある施設の廃止に伴って処分された古いベンチを3台、運よく入札できて買ったことがあり、その内2台、鉢植えの台と化してしまいましたが、今でもまだまだ3台とも現役で頑張っています・・・。


Lyrics #64 幸せのベンチ

ある日 あの思い出の公園が
なくなると聞いて 
心乱れるように 駆られて私は
あのベンチを探しに行ったの
あの日 あのベンチに座っていなかったなら
君が声をかけてくれることは 無かったもの
あの頃 何を思って
あんなに あのベンチに座っていたのか
今は ちゃんと思い出せないけれど
君と出逢って 君と話し合い
君とこうして 今いることが
私には 掛け替えのない
二人をつないだ
幸せのベンチだから


あの日 君と出逢ってから ずっと
君に会いたいと
心躍るように 駆られて私は
あのベンチまで 何度も通い
あれからベンチに二人で 座るようになって
桜が終わり 七夕の頃まで いつも
夕焼けを見るまで ずっと
飽きもせず あのベンチに座っていたのよ
今は ちゃんと思い出せないけれど
払い下げのあのベンチを見つけて
君とこうして 今暮らしてる
小さな庭に あのベンチ
二人をつないだ
幸せのベンチがあるの


あの頃 何を思って
あんなに あのベンチに座っていたのか
今は ちゃんと思い出せないけれど

雨の日も 波が高い日も
ウミネコが鳴いたり
子供たちが笑ったり
普通の暮らしの中に
二人の時間をくれた あのベンチ

私が私でいられるようになって
私が君を愛せるようになって
二人をつないだ
幸せのベンチが 今もあるの

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