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可変ではない

人のアクティビティによって決まる他律的な建築をつくる手法のひとつとして、人のアクティビティに応答して建築自体が可変する手法がある。例えば、可動間仕切りによって部屋の広さを変えることによって、その時々の使い方に建築を調整することである。

ただ、それは確かに建築が他律的になることだが、別の見方をすると、建築が装置化することであり、それを良しとする考えもあるだろうが、建築デザインの精神性のようなことに興味を持っていて、人の内面にまで影響を及ぼす建築をつくりたいので、そうすると、装置化した建築には精神性を投影することができず、興味が持てない。

今まで見た建築で装置化の傾向があるものは、リートフェルトが設計した住宅で世界遺産にもなった「シュレーダー邸」で、この住宅は間仕切りだけではなく、様々なものが可変した。ただ、この住宅の特色は多色使いであり、壁や天井といった要素ごとに色を塗り分けて、それぞれの要素の自律性を高めており、それはむしろ人のアクティビティに左右されない自律的な建築を目指した結果だと考えて、その多色使いに精神性を投影できる可能性は感じたが、この住宅にそれ以上の興味は持てなかった。

だから、可変以外の手法で、人のアクティビティによって決まる他律的な建築をつくろうとしている。

#当社は東京・世田谷の工務店です

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