Yoko Nakamura

Yoko Nakamura

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閑話休題「お金持ち」と「豊かさ」

「お金持ち」と「貧乏」という言葉は、通常、人々の経済的な状態を指すために使われます。これらの言葉は数値的な富や資産を意味し、しばしば社会的地位や生活の質を左右する要因とされています。しかし、本当に大切なのは「豊かさ」と「貧しさ」ではないでしょうか。これらは経済的な富を超えた、より深い人生の価値や充実を示唆しています。 「豊かさ」とは、単に物質的な富や所有物が豊富であることだけを指すのではありません。それは精神的、感情的、社会的、そして文化的な充足感をも含む概念です。豊かな人

    • 女50歳で婚前旅行へ・・・ 続く

      25年間勤めた小学校の先生を辞め、離婚し、勢いで有限会社を起こして5年。 私は、2004年の個性的なケチケチ旅行をまた始めた。今度は、新しいパートナーと一緒に。相変わらずユニークな日程で、七転八倒のヨーロッパケチケチ旅行が始まる。 さて、どうなることやら・・・ ・・・また旅は始まる。

      • エピローグ 「このフライトが新しい私の始まり」

        心を引き締め、ついにシャルルドゴール空港への道を歩んだ。空港には大韓航空のターミナルCを目指す。列車を降りるのは、シャルルドゴール空港②駅。雨が降っており、空港内でのんびり過ごすのも一興だと考えた。しかし、荷物の預け入れに時間がかかり、結局荷物を抱えたまま5時間以上を過ごすことになった。途中、マクドナルドで軽い昼食をとる。 久しぶりに氷を浮かべたドリンクを口にし、待ち時間の長さに少し落胆しながらも、この一ヶ月の旅をじっくりと振り返る良い機会となった。帰国後は、このように時間

        • 7月9日「パリ北駅」

        閑話休題「お金持ち」と「豊かさ」

          7月8日「オルセー美術館・ドネルケバブ」

          オステリッツ駅には朝の6時、まだ空には半月が浮かんでいた。ホテル探しはまだ早すぎる時間だったので、駅内のカフェで甘いパンとコーヒーを朝食に選んだ。その後、メトロに乗ってパリ東駅(l'Est)へ向かい、そこから北駅へと歩いて行った。北駅までの道のりには急な階段があり、重い荷物を抱えての移動は一苦労だった。 北駅の近くには多くのホテルがあるが、少し怪しい雰囲気もあるのでおすすめはできない。44ユーロで泊まれる場所を見つけ、トイレとシャワーが付いているが、テレビのチャンネルは変え

          7月8日「オルセー美術館・ドネルケバブ」

          7月7日「氷河の滝」

          今日は、ふと気づけば七夕。シャモニーからパリへの帰途につく。夜空の星は、オステリッツ行きの寝台列車の窓から眺めることになりそうだ。朝食を味わいながら、これからの荷造りを思案する。旅の終わりに差し掛かり、荷物を整理する時が来た。 夜行列車に乗るため、急ぐ必要はない。駅に着く適当な時間を選んで出発。ヨーロッパとの別れが近づき、最後のアプリコットを購入。旬の果実は甘く、旅の途中での楽しみだった。リュックには常に何かしらの果物が入っている。旅の間、季節ごとの果実を味わい尽くした。

          7月7日「氷河の滝」

          7月6日「強い思いは叶う」

          今朝、モンブランを目指す登山の準備に取り掛かった。プラムとリンゴを半分に切り、昨晩の残り物で朝食を済ませて出かけることにした。 ナイフの専門店に立ち寄った際、旅のお供にぴったりのマイナイフを求めた。店員とのやり取りの中で、名前を彫ってもらえることがわかり、予定外にも店のオーナーが現れて、その場で名前を彫ってくれた。この小さなナイフに名前を入れる瞬間は、まるで映画のワンシーンのような感動があった。 目指したモンブランへのケーブルカーは、まだ運行前であることを知り、計画を変更し

          7月6日「強い思いは叶う」

          7月5日「困難に負けない気力」

          早朝、Le lac blancへの挑戦を開始した。標高の高さと潜在的なリスクを念頭に置きつつも、装備は最低限に抑えた。ウィンドブレーカーとスニーカーのみでの登山は、高所や閉所が苦手な自分にとっては一種の挑戦だった。昨夜はパニックに近い状態で、下痢や息苦しさに悩まされたが、それでも心の奥底で湧き上がる湖を見たいという強い願望が、体調を立て直すエネルギーとなった。持ち物の中で工夫した防寒対策や、チョコレート、ビスケットなどの非常食、そして弁当や温かいコーヒーを準備し、よれよれにな

          7月5日「困難に負けない気力」

          7月4日「アルプスの麓へ」

          朝、モンブランが遠くに輝き、シャンペンを口にして一日がスタート。レマン湖では、帆船が風に乗り、港はマストでいっぱい。そこで見た、孫を連れたおじいさんの姿が心に残った。スイスの物価の高さを考え、今日中にシャモニに向かうことに。モルジュからマルティニまでの電車で、たまたま隣になった日本人夫婦と盛り上がり、後ろの席からは横浜に住んでいた黒人の家族も交わって、車内は和やかな雰囲気に。 マルティニからシャモニへの登山列車は、まるで絶叫マシンのよう。約1時間半の間、谷底を見下ろしながら

          7月4日「アルプスの麓へ」

          7月3日「ドイツからスイスへ」

          旅の終盤に差し掛かり、残り一週間というところで、私はスイスのMorgesを訪れることに決めた。これまでの旅は予測不可能な出来事が満載で、思い返すと本当に充実していた。Morgesへは、まずストラスブールに戻り、そこからバーゼルを経由して向かう計画を立てていた。 出発の朝、お母さんとの別れを告げると、まるで私を見送るかのように、街はマルシェで賑わっていた。土曜日だということをすっかり忘れていた私は、荷物を引きずりながらも、店の一つ一つに目を奪われた。特に、前日にも目を留めていた

          7月3日「ドイツからスイスへ」

          7月2日「幻のお酒」

          Offenburgの街角、少し肌寒い風が吹き抜ける中、昨日のスペインの日差しを思い出しながら、ポストオフィスへ絵はがきを投函した。散歩には最適なコースが多いものの、天候が心配で今日は探検を控え、近場をうろうろ。目当てのスーパーを見つけることができずに少しフラストレーションを感じつつ、ふと目に入ったのは、ソーセージとオニオンソテーを挟んだサンドウィッチを頬張る少年。その一口が今すぐ欲しいと思ったが、異国の中で直接尋ねるのは躊躇われ、遠くからその屋台を見つけることに成功。モチモチ

          7月2日「幻のお酒」

          7月1日「Offenburgはいいところだ!」

          早朝、スペインの暖かさから一転して肌寒い風が吹くOffenburgへと足を踏み入れた。この変わりゆく気候が、旅の移り変わりを象徴しているようだ。日本を離れてからの日々を振り返りながら、サン=トマ教会へと足を運ぶ。この静けさの中で、今までの旅路に感謝の気持ちを捧げる。ドイツのこの街で、新たな章が始まる。 Offenburgに到着し、待ち合わせの時間までに市内を散策することに。地元の小さなホテルで荷物を預け、サンドウィッチと温かいコーヒーを手に街の探索を開始した。列車旅の疲れを

          7月1日「Offenburgはいいところだ!」

          6月30日「贅沢なひととき」

          朝の10時、サン=トマ教会を目指して歩き出す。運が良ければ、また無料で生演奏に触れられる。今回はトランペットとパイプオルガンのデュオ。CDでしか聞いたことない組み合わせだから、生で聴ける喜びは格別だった。 教会の荘厳な響きに包まれながら、その美しい内部をスケッチ。音楽とアートが融合する瞬間は、この旅のハイライト。 サンドウィッチ屋へ向かう道すがら、目に飛び込んできたマルシェ。空腹も忘れて色とりどりの品々に目を奪われる。美しいスカーフと甘酸っぱいチェリーを手に入れ、また一つ旅の

          6月30日「贅沢なひととき」

          6月29日「Llancaでの強烈な印象」

          Llancaの別れが胸に重く、セレベレ行きの列車に揺られながら、次なる目的地への道をたどる。重い荷物を背負い、長い待ち時間にうんざりしつつも、Strasbourgへの夜行列車を予約する。待ち時間は退屈で、肩の痛みや疲れが身に染みる。しかし、駅近くの地下道を抜けた瞬間、意外にも広がる海岸の景色に心が躍る。少しの間、ベンチで休みながら、やがて訪れる快適な寝台車での移動を心待ちにする。 夜行列車は、見知らぬ人との共同生活に少し戸惑いながらも、体を伸ばしての移動は格別の快適さを提供し

          6月29日「Llancaでの強烈な印象」

          6月28日「言葉の壁を越えて」

          Llancaを離れる日がとうとうやってきた。この地に足を踏み入れて以来、いつも暖かく迎えてくれたアンナマリアとバルバラに別れを告げに行く時間だ。彼女たちの経営する小さな店は、色とりどりの衣類やアクセサリーでいっぱい。この出会いが、Llancaを私にとって忘れがたい場所にした。 言葉の壁はあったものの、私たちは心を通わせることができた。フランス語や片言の日本語、そして身振り手振りでの会話。それでも、笑顔と共感で繋がることができた。一緒に過ごした時間は、互いの文化への理解を深め

          6月28日「言葉の壁を越えて」

          6月27日「大好きなLlancaへ」

          朝、まだ薄暗い空の下で目覚めたのは4時頃。しかし、再び眠りにつき、目を覚ましたのは10時。遠くから聞こえてくる教会の鐘の音が、この町の時を刻んでいた。その規則正しい鐘の音に導かれるように、一日が静かに始まった。 ゆったりとした朝食の後、私は再びビーチへと向かった。今日は昨日とは異なる方向、より静かな入江を求めて歩き出した。そこで見つけた大木の下は、まるで自分だけの隠れ家のよう。綿のシュラフを広げ、その涼やかな木陰に身を委ねた。 途中で購入したシュノーケルは、私に新たな勇気を与

          6月27日「大好きなLlancaへ」