6月29日「Llancaでの強烈な印象」
Llancaの別れが胸に重く、セレベレ行きの列車に揺られながら、次なる目的地への道をたどる。重い荷物を背負い、長い待ち時間にうんざりしつつも、Strasbourgへの夜行列車を予約する。待ち時間は退屈で、肩の痛みや疲れが身に染みる。しかし、駅近くの地下道を抜けた瞬間、意外にも広がる海岸の景色に心が躍る。少しの間、ベンチで休みながら、やがて訪れる快適な寝台車での移動を心待ちにする。
夜行列車は、見知らぬ人との共同生活に少し戸惑いながらも、体を伸ばしての移動は格別の快適さを提供してくれた。列車での移動は、この節約旅行にとって大きな味方であることを再認識する。
Strasbourgに到着し、早速ホテルを探す。観光地らしい高級ホテルの並ぶ中、小さな屋根裏部屋があるアットホームなホテルに決定。この部屋が次の二日間の拠点となる。
街を歩くと、プティフランスの美しい風景に心奪われる。運河沿いの古い建物、カラフルな花々、通り過ぎる観光船。水位を調整する門の仕組みに興味津々で、その瞬間を待つ観光客の期待感が感じられる。
サン=トマ教会でのパイプオルガンの演奏には、心からの感動を覚える。音楽が直接心に語りかけてくるようで、涙が自然とあふれ出る。演奏者に会うことは叶わなかったが、その音楽の力に深く感謝する。
教会で買った絵はがきを持ち、受付の女性に感謝の言葉を伝える。彼女の優しい笑顔が、再びこの地を訪れることへの期待を膨らませる。
夜はプチフランスでの賑わいを離れ、静かな通りでケバブを味わいながら、Strasbourgの夜を楽しむ。こうして過ごした日々は、再び旅立つその時まで、私の心に残り続けるだろう。
Llancaの青い海と温かい人々、Strasbourgの歴史的な美しさと音楽、これらすべてがこの旅を豊かなものにしてくれた。再び訪れる日まで、心に刻まれた思い出として大切にする。