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東京芸大ものがたり・・受験生のいる家庭が犯しがちな失敗

[東京芸大ものがたり」
「見よ!美大受験はこんなにも地味で、壮絶で、美しい。」

作者の体験談を元に芸大の受験の実態を漫画で紹介しています。
「東京芸大ものがたり」生きづらさを抱えていた中高時代・・・
父親の母校である芸大の受験を目指し、三浪の末、合格を手に入れた女学生の物語です。

受験生を取り巻く、家族、友人、経済問題、焦りと不安。

そして、多浪による精神的ダメージがよく描かれた作品。

マンガなのであっという間に読み終えてしまいました。

どこの家庭でも受験生を抱えている家庭は穏やかな気持ちではいられないものです。

我が家の息子達も小学校から大学までの一貫校に通っていましたが
他大学受験に挑戦しました。

難関とされる当一貫校
しかし彼らは「それ以上を目指す」と。

「現実、甘くないぞー」などと思いながらも、勇気ある息子たちの選択に逞しさを感じたものでした。

そして、壮絶な受験勉強等、経験していない短大出の母は、否応なしに受験生の母となりました💦

長男、次男共々、紆余曲折を潜り抜け無事合格

遠い昔のような・・・・・


その時の気持ちが思い出されます( ´艸`)


さて「東京芸大ものがたり」

TETの母校である芸大。
その学部は当時、数十倍の狭き門だったそうです。

TETは高齢になった現在まで毎年同窓会に嬉々として出かけていきます。
帰宅後「芸大の仲間はいいやつばかりだなー」とご満悦な様子。
戦友のごとき連帯感、羨ましい限りです。

TETもまた、多浪ではないものの、一浪の末に合格を手に入れました。

海外の有名画家の展覧会の折、訪れる上野の美術館。
芸大の傍を歩きながら、よく受験当時の様子を話してくれました。

芸大の受験を決意したいきさつ・・

中学時代に何気なく応募した日展に最年少で入選し、学校の注目の的になったことが大きく影響したそうです。

しかし、それ以前に彼の心の奥に大きく印象付けたものは、幼いころにお母様から教えて頂いた遠近法。
「TET、道はこうして描くのよ」と……
当時、次男をなくしたショックから暗くふさいでいたお母様が、その時は楽しそうに筆を取り笑顔で教えてくれたそうです。

そのお母様の表情を今でも鮮明に覚えているとのこと。

親は子供の幸せそうな姿が大好きなように、子供も親の幸せそうな姿を見るのが何よりうれしいのです。

それを思うと、子供たちが目にする親の幸せそうな笑顔は、彼らの心の安定をもたらし希望を見出す力になるのでしょう。


受験生を抱える家族が陥りやすい失敗

「東京芸大ものがたり」の作者の父親は陶芸家であり、多くの子供を育てる中、私立大学を受験させるだけの経済的余裕はなく国立芸大一本の受験を覚悟した娘への申し訳なさもあったのかもしれません。

影のように寄り添い「心配はしてないよ」「大丈夫だからね」と言わんばかりに、大きな存在として子供の負担にならない様に彼女に寄り添います。

ともすると、受験生を抱える親は、子供を腫れ物のように扱い、神経をぴりぴりすり減らし、この受験に失敗したら次はもうないという緊張感から、子どもを精神的に追い詰めてしまうことがあります。

先日、偶然「人生相談」なるユーチューブを聞いていました。

相談者は母親。

息子が医学部を受験し何度も失敗を繰り返した末、諦めて、薬学部に入学。しかしやる気を失い無気力になった息子は
「死にたい。出ていく。自分をこんなにしたのはお前たちのせいだ」と暴言を吐き、引きこもるようになった・・・・死んでしまうのではないかと心配で心配で仕方がない」と言う相談でした。

回答者
「あなたの家は皆医者?」
相談者「そうです」
回答者
「医者の家族は価値観が狭いんだよね」「なぜ、医者になることだけを息子の目標にしてしまったのか?」「それじゃ他の生き方じゃ、生きていく価値なし」と言っているのと同じ」
「とにかく謝りなさい!」「ほかの生き方を一緒に考えよう」と、今からでも・・・・

この内容を聞いていて恐ろしくなってしまいました。

親のエゴを押し付けられた子供たちの悲痛な叫びが・・・耳に焼き付いてしました。


「東京芸大ものがたり」の作者は自分で自分の将来像を描き、その大学を目指した。
そして失敗を受け止め、逃げ道をも認めた。
逃げ道とは・・最後の挑戦と考えた三度目の芸大受験の折には、私立美大の受験に合格していたため、多少の余裕と覚悟か出来ていた。

「人生相談」の息子さんは親の決めたレール以外は選択できず、失敗は許されないと考えていた。逃げ道は負け犬だと考えていた。
合格した薬科大学の入学後、無気力になり自殺をほのめかすようになった。

親の作った価値観は彼の価値観となり、その価値観の狭さが自分自身をがんじがらめにしてしまっています。

他人事ではない親のエゴ

受験生を抱えた親は多かれ少なかれ、このような過ちを犯してしまう危険性をはらんでいます。

勿論、私も、そうでした・・・

愛するが故に自分の子供には勝者(そんなものはありませが)
として自信を持った生き方をして欲しいと・・

しかし、子供たちの為と言いながら、実は、親の見栄や親の劣等感の捌け口になっていることもあります。

「私を心配させないで・・安心させて・・自慢の子供でいて」と

人間はそういうエゴをもった生き物です。

上手く機能していれば、それも、良い方向に行く場合がありますが、その逆の場合は親子ともども苦しみの中に身を置くことになってしまいます。

そこで、親の価値観を変える覚悟が必要です。

親の価値観を変える覚悟

子供は自分の所有物ではない! 
子供自身で生き方を選ぶ権利があることを理解する!
親は影で子供の健闘を祈るのみ! 
子供が求めてきたときは理性をもって子供の力になる!
親自身、人間的成長の努力を怠らない!

難しい覚悟です💦

でも、親のエゴが頭を持ち上げてきたとき
少しでも、子供の身になって考える努力をしようと、反省する機会を持つことが出来ると思います。

未熟な私も、エゴに負ける自分に対し
反省の繰り返しでした💦


東京芸大ものがたりの父親は多浪する我が子の合格を知った時初めて彼女を抱きしめ泣き崩れた・・・・その姿に作者は意外だと感じた・・と

見守るだけしかできない親の辛さがよくわかります。

子供に悟られずに平静を装いながら、心の中では何度涙した事か・・・
その気持ち・・痛いほどわかります。
エゴを超えた子供への愛情ですね。

東京芸大ものがたりの父親、そして「人生相談」の母親。
大きな違いはないのかもしれません・・・

どちらも子供を愛しているのですから

ただ、人生には多種多様な生き方があり、それを自分で選ぶ権利があることを教えていくこと・・・・それは親の務めでもあるのかもしれません。

長い人生、失敗は付き物
その度に、落ち込み、苦しみ、乗り越える。

そして、乗り越えられない事は
諦めるぐらいの柔軟性が必要な時もあります。

吹っ切れると、意外と物事が順調に進み始める事は多いいものだと思っています。

受験生を抱えるご家庭は
「そんな呑気な事、言ってられない」とおしゃると思います。

でも、我が子の心の安定のため、心して冷静でゆとりのある態度でいてあげてください。

美味しい食事と、お母さまの笑顔が一番

だって、本人が一番不安なのですから・・・

受験は人生の中のほんの一コマ

その後の人生が待っています。

社会人になり、家庭を持ち、子を育て・・・

それ以外のどのようなコースを辿ろうと

沢山の苦労と喜びと感動が待っています。

受験はそのための予行練習のようなものかもしれません。

今振り返ると、だめママの典型だった私

そんな私でも、子供は親を超え立派に成長してくれるのですから.....

感謝・・・感謝です( ´艸`)




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