マガジンのカバー画像

サッカーパフォーマンス

60
サッカーパフォーマンスについて生理学的、解剖学的に記事にしています。
運営しているクリエイター

#酸素摂取量

ウォーミングアップの生化学反応と生理学観点(ウォーミングアップを行うことで酸素摂取量が容易になり、運動初期の酸素不足は少なくなり、運動中に利用できる有酸素エネルギーは増加するので運動の遂行に有利になるとされている)

ウォーミングアップの生化学反応と生理学観点(ウォーミングアップを行うことで酸素摂取量が容易になり、運動初期の酸素不足は少なくなり、運動中に利用できる有酸素エネルギーは増加するので運動の遂行に有利になるとされている)

運動による体温の上昇1) 酸素の供給量増加:ヘモグロビンの酸素解離曲線が右に移動するため、酸素の解離が容易になって活動筋に対する酸素の供給が多くなります。

2) エネルギーの発生:生化学反応が促進されるために多量のエネルギーを発生させます。

3) 筋粘性低下・障害予防:筋の粘度が低くなるために俊敏な動きを行いやすく、運動による障害のリスクが軽減します。

4) 体温上昇の軽減:トレーニングの継

もっとみる
酸素摂取量および運動に対する有酸素性代謝と無酸素性代謝の貢献

酸素摂取量および運動に対する有酸素性代謝と無酸素性代謝の貢献

有酸素性代謝と無酸素性代謝
酸素摂取量は、酸素を取り入れ利用する能力の尺度になります。

つまり、酸素摂取量が多ければ多いほど、酸素を利用する能力が高く、有酸素性代謝能力が優れていると考えられています。

低強度の一定のパワー出力を伴う運動中では、酸素摂取量は定常状態(酸素の需要量と摂取量が等しい状態)に達するまでの最初の数分間は増加します。

しかし運動の始めには、エネルギーの一部は無酸素性機構

もっとみる
高強度運動時のアシドーシスの原因(筋内乳酸の蓄積は、ミトコンドリアが適切な割合でATPを供給できなくなるタイミングとされる)

高強度運動時のアシドーシスの原因(筋内乳酸の蓄積は、ミトコンドリアが適切な割合でATPを供給できなくなるタイミングとされる)

高強度トレーニング時の疲労とアシドーシス運動中の血中乳酸の蓄積は、水素イオンの発生を伴う代謝副産物とみなされてきました。

しかし、速い解糖系によって生み出される乳酸の一部は、タイプⅠ筋線維内で酸化されます。

したがって、乳酸産生に関しては、水素イオンは蓄積される以上に除去されており、筋のphを低下させるよりも上昇させるという見方が現在は一般的になっています。

言い換えると、高強度運動時の疲労

もっとみる